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2013年12月10日
著者・コラム紹介バックナンバー

マーケティング・アナリスト三浦展氏に聞く
ビッグデータ活用の「勝負所」
“不合理で感覚的な”価値が問われている

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 企業はさまざまな分析を通じて消費者を囲い込もうとして、「これでもか」とばかりに自社に対するロイヤルティを高めようとしています。しかし消費者は、むしろ分析されることから解放されたがっている面もあります。「あなたが欲しいものは、これでしょ」と提示されるのにも飽きてきた。いらない機能ばかり付いている商品にもうんざりしている。

 何かを探しているときに、探しているものとは別の、自分でも気がついていない価値を発見する「セレンディピティ」を、消費者は求めているのだが、これをすでに大企業に期待しなくなっている。消費者はむしろ、自らの力で、土地を掘り返し、欲しいものを探したがっています。

 ですが、ここで1つ注意が必要です。

 日常の仕事で必要な本はアマゾンで買うが、自分が心豊かに読みふけりたい本は古本屋歩きを惜しまない人がいる。

 新車の販売台数では世界のベスト10には入らないBMWが、営業利益では首位のトヨタに迫る。これは、BMWの提供する高級感に納得、満足してお金を出す人たちがいるからです。

『東京R不動産』というサイトをご存じでしょうか。ここでは賃貸用不動産を、「プチ冒険アトリエ」「蔦の絡まるアパルトマン暮らし」「ハイキングコースのような団地」といったコンセプチュアルなコピーで紹介しています。従来の駅とか間取りとか、家賃の高い安いといった「スペック」ではない情報を提示することで、好きな人にはたまらない情報サイトになっているのです。

『日本仕事百貨』というサイトもあります。求職・求人が「地域に根ざす」「日本の伝統」といった定性的な分類で紹介されています。けっして、給料や勤務時間といった定量的なものではない。

 スペック情報では満足できない、最小公倍数的、個別で主観的、そしてセレンディピティを感じられるものをこそ求める人たちが増えています。一見、不合理で感覚的なように思えますが、そこが、企業にとっての勝負所であり、ビッグデータ分析の真の価値は、そこにあるのではないかと考えています。

 [制作/クロスメディア事業局]

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