株式市場からの評価はユーザー課金次第

田中 比較対象企業さんたちと比較すると、収益性や生産性の面でどうしても見劣りしてしまいます。これが株価のパフォーマンスに影響していると考えられますが、株式市場から与えられている、これらの経営課題に対して、これまで取り組んできた施策と今後の打ち手についてお聞かせください。特に、御社の比較対象企業は、プレミアム会員、いわゆる有料会員を開示していますが、アイスタイルさんは何人くらいですか?

菅原 まだ非公開のレベルです(笑)。

保田 それが違いといえば違いですよね。ただ逆に言えば、ポテンシャルとして、連結の営業利益率で〇〇%くらいの水準は狙えそうだ、といった話になるわけですよね?

菅原 将来的にはそうですね。

当社のことをよく理解しているファンドマネジャーやアナリストとは、決算数値や主要KPIの説明は10分くらいで終わってしまって、あとは「アイスタイルは、今後どうしたらいいか」みたいなディスカッションになることもあります(笑)。

保田 たしかに、ビジネスモデル自体はシンプルなんですよね。収穫逓増モデルが典型的に利く商売ですから。投資家からの評価はユーザー課金次第ということですが、サイト歴が長いがゆえに、タダで使うことに慣れてしまったユーザーに対して課金しにくいというのはありますか?

菅原 まだ判断はできないですね。プレミアム課金ということは、何かがプレミアムであるはずなので、どんどんアドオンしていく必要があるわけですよね。他社さんとは全然違う当社のサイトで価値創造、ユーザーベネフィットをどう創造していくか。当社のサイトは、例えば料理レシピのように毎日見るサイトではないので、それとは違ったベネフィットをつくっていかなければいけない。正直なところ、試行錯誤です。

田中 菅原さんのお話しをうかがっていると、いかにもプロフェッショナルのコンサルタントがつくった会社という感じではありませんね。

菅原 (笑)当社は結構ベタですよ。あまりスマートじゃありませんし。

田中 いや、いいんですよ。アクセンチュアの人たちって、もともと地べたを這うようなやり方が好きじゃないですか(皆、笑)。アクセンチュア出身の人たちって、やっぱり私は好きですね。

菅原 基本的に、死ぬほど働いて、死ぬほど遊ぶ、という人種です(笑)。