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金融市場異論百出

感謝祭の“日本化”で起こる論争
米年末商戦の厳しい船出

加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]
2013年12月17日
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 「想像を絶する寒さです。お気をつけください」。11月29日にシカゴに到着したとき、フライトアテンダントにそう言われた。

 「大げさだなあ」と笑ったが、マイナス8℃は確かにきつかった。この日はホリデーシーズン・セールの開始で有名なブラックフライデーだった。ショッピング街であるミシガン通りに行ってみた。地元の人の話によると、寒さで人出は昨年よりも少なかったそうだ。「買い物袋を提げて歩く人が年々減っている」という声も聞こえた。実際の購入はインターネットという人が増えているからである。

 ブラックフライデーの人出が少なかったのは、セール開始日が前倒しされたことも影響した。開始のタイミングは、11月第4金曜日の早朝→未明→木曜日(感謝祭)と年々早まってきた。小売店にとって重要な、感謝祭からクリスマスまでの日数が、今年は昨年より6日も短いため、前倒し傾向が一段と加速した。

 本来の感謝祭は日本のかつての元日に似ている。大半の店舗は休みとなり、家族が家に集まって静かに食事をする日だった。しかしセールが早くから始まると、木曜夜にターキーを食べている場合ではなく、それが水曜日になる家庭が増える。「うちの子どもは感謝祭は水曜日だと誤解している」という笑い話さえ聞こえる。

 日本でも正月の初売りを元日から行う店が結構増えたので、我々はそういった変化をすでに経験しているが、今の米国では論争が起きている。家族で協力してセール品をゲットするのが新しい感謝祭の姿だ、と言う人がいる一方、「これは米国の伝統の感謝祭ではない」と嘆く声も多い(「ロサンジェルス・タイムズ」12月1日)。なお、米国では祝日に店員を働かせるには時給を引き上げねばならない。感謝祭の営業は店舗にとって実は収益的に厳しい面がある。

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