「米国にはしごを外されそうな日本」というジャーナリストの田中宇さんの無料コラムを読んで、いろいろと考えさせられた。

対中国敵視姿勢を
一変させた英キャメロン首相

 まず、そのコラムは英中関係を、要約すると次のように振り返っている。

 『英国のデーヴィッド・キャメロン首相がつい2年ほど前まで、あえてダライ・ラマと面会して中国を怒らせるなど、積極的な中国敵視策をとり、米英同盟を最重視してきた。しかし、リーマン危機後、英国は財政破綻のふちにあり、経済難と貧富格差拡大が続き、英国民の4分の1が食糧難の貧困状態にある。

 キャメロンは中国政策を大転換し、中国との経済関係を強化して英国の経済を救う動きを開始している。国内の原子力発電所の建設も中国に発注し、中国の国際的な原発売り込みの宣伝役を買って出た。一方、人権問題などで中国を困らせるような行動を控えた。』

 確かに中国訪問時のキャメロン首相の言動はこれまでとはまるで180度の方向転換だ。

 まず、中国を訪問する前に、すでに中国版SNSであるウェイボー(微博)を立ち上げ、中国国民に向けて「中国のみなさん、こんにちは。ウェイボー(微博)を始めることができ、とても嬉しいです。中国訪問を楽しみにしております!」とあいさつを送り、12月2日から4日までの訪中に向けてムード作りをした。フォロワーはアカウント開設後1週間で20万を超えた。

 英国首相の中国訪問として、出発する前にすでにこれほど多くの人々の注目を集めたことは非常に珍しかった。