いったいなぜ、こんな行為に及んでしまうのか――。2013年は、インターネットの「負の側面」が強調された年でもあった。飲食店やコンビニの店員による不衛生な悪ふざけ画像、アパレル店にクレームをつけた女性客による店員の土下座画像、そして餃子店を訪れた男性客によるわいせつ画像などがネットに投下される事件が相次ぎ、店舗が閉店に追い込まれたり、刑事事件にまでなったりする騒動に発展した。今や、こうした「ネットおバカ」と呼ばれるユーザーが増殖の一途を辿っているように見える。2013年を闊歩した「ネットおバカ」の傾向から、我々はどんな教訓を得るべきか。また、今後彼らはどこに向かうのか。年の瀬を迎えた今、識者の意見を交えながら改めて振り返る。(取材・文/フリーライター・宮崎智之、協力/プレスラボ)

不衛生行為、土下座、わいせつまで
ネットに続々投稿される問題画像

 いったいなぜ、こんな行為に及んでしまったのだろうか――。

 2013年は、インターネットの「負の側面」が強調された年でもあった。最も記憶に残っているのが、アルバイト店員が飲食店やコンビニなどの店内で悪ふざけをしている写真をツイッターに投稿し、社会問題化する事件が相次いだことだ。

 たとえば、ステーキハウス・ブロンコビリーでは、アルバイトが冷蔵庫に入った写真をツイッターに投稿した行為が、「食品の衛生管理上問題がある」という世間の批判を呼んだ。店側は休業して店内の消毒を余儀なくされた後、閉店に追い込まれ、問題を起こしたバイト店員に対して損害賠償請求を検討した。

 店員たちの暴挙は止まることを知らない。同様の事件は、ほっともっと(冷蔵庫に入る)、ミニストップ(アイスケースに寝そべる)、バーガーキング・ジャパン(バンズの上に寝そべる)、丸源ラーメン(調理前の食材をくわえる)などでも発生し、不適切画像をネット上にバラ撒かれた企業は、謝罪会見を開くなど対応に追われた。

 ネット上での投稿が、刑事事件に発展するケースまで出ている。ファッションセンターしまむら苗穂店では、店員らにクレームをつけ、土下座させた写真をツイッターに投稿していた女性が強要の容疑で逮捕された。

 さらに「餃子の王将」金沢片町店では、店内で裸の写真を撮影し、ネット上で公開した男性2人が威力業務妨害と公然わいせつの容疑で逮捕された。