株式レポート
12月16日 18時0分
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デフレ克服に向かう日本〜中小企業の景況感が約20年ぶりに改善〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

本日(12月16日)発表された日銀短観において、企業の景況判断DI(景気が「良い」-「悪い」)は総じて改善した。大企業・製造業においては+16(4ポイント改善)と事前予想をやや上回り、大企業・非製造業も+20(6ポイント改善)と改善した。一方3か月先の景況感見通しを示す先行きDIはやや悪化したが、足元の改善が大きかった分がやや低下した面が大きい。業況判断DI方向を素直にみれば、アベノミクス発動で2013年初に始まった企業業績改善と景気回復は持続している。

2013年度の設備投資計画は、大企業・製造業でやや下方修正された。機械受注や資本財出荷など設備投資関連指標は改善しているが、今回短観調査では2013年前半までに計画していた設備投資が実現せずに計画がやや下方修正された。設備投資については、サーベイによってまちまちの結果となっている。

今回の短観調査が、目先の日本銀行の景気判断に影響する可能性は低い。一方注目されるのは、非製造業の景況感改善が目立つことである。9月までは円高で停滞していた製造業の景況改善が目立ったが、12月には非製造業の景況感の改善幅がやや大きくなっている(グラフ参照)。輸出環境好転だけなく、国内需要の底上げが売上・利益環境を好転させる面が強まっているということだ。なお今回調査で10ポイント以上景況感が改善した業種には、物品賃貸・運輸・電気ガス・宿泊飲料サービス、が挙げられる。


非製造業の景況感改善が目立っている一つの理由は、日本銀行の金融緩和強化で今後デフレが終わり、いずれインフレが訪れるという期待が、家計や企業の支出行動を積極化させていることが挙げられるだろう。販売価格下落に歯止めがかかり、家計や企業の支出が増えつつあることが、非製造業の事業環境を好転させている。

また、デフレの和らぎなどを背景とした景況改善は、大企業にとどまらない。今回の短観調査において、非製造業中小企業の業況判断DIは+4とプラスに転じた。同指数がプラスに転じたのは1992年以来である(グラフ参照)。1990年代にバブルが崩壊、その後経済がデフレに陥ってから中小企業非製造業の事業環境は厳しかった。2000年代半ばなどの景気回復局面でも同指数がプラスにならず、景気回復局面でも「景気が悪い」と感じる中小企業が多かった。


足元で同指数が約20年ぶりの状況まで改善していることは、長年続いたデフレが終わるという予想の変化による国内需要の底上げで、中小企業を含め幅広い企業の事業環境が改善しつつあることを示している。アベノミクス発動による金融政策の大転換で、20年弱に及んだデフレと経済停滞を克服する道筋を日本が着実に辿っていることが、景況感改善のすそ野の広がりとして表れているということだ。アベノミクスは資産価格上昇を引き起こすだけに止まらず、デフレ克服を通じて日本経済復活をもたらしつつある。




(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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(マネックス証券)


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