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韓国企業が直面する課題を通して考える今後のディスカバリ対策

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韓国企業が直面する
課題を通して考える
今後のディスカバリ対策

著者・コラム紹介
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新興国を中心にグローバル展開を積極的に推進している韓国企業。その多くも、実は国際訴訟のリスクに直面している。特に、ディスカバリ対応は重要な課題だ。ディスカバリの不備や遅れによって、米国の裁判所から制裁金を科されるケースも少なくない。韓国の国際訴訟事情と、その対策についてUBIC副社長の池上成朝氏とUBIC Korea, Inc. CEOのチョ・ヨンミン氏に聞いた。

国際訴訟に対して、
後追いの対応が目立つ

──韓国は輸出比率が高く、グローバル経済との関わりも深い。国際訴訟やディスカバリへの関心も高いのではないですか。

チョ・ヨンミン
UBIC Korea, Inc.
CEO

チョ グローバルで活動する巨大企業は毎年多数の訴訟に対応しており、ディスカバリについても十分な知識を持っています。社内法務チームの体制もしっかりしており、品質やコストを比較して自らディスカバリベンダーを選定しています。しかし、それ以外の韓国企業では、ディスカバリをコントロールできている企業は少ないです。

──一般的な韓国企業において、国際訴訟への対応プロセスはどのようなものですか。

チョ 残念ながら、後追いの対応というのが現状だと思います。訴訟を認識してからディスカバリベンダーを選ぶまでに、長い時間がかかります。その期間中にデータの改変や消失などが起これば、米国の法制度上問題になる可能性があります。また、自力でデータを収集する企業が多く、それらをすべて米国の法律事務所やディスカバリベンダーに送っているようです。

池上成朝
UBIC
取締役副社長兼COO

池上 訴訟対応を自社でコントロールしていないということですね。

チョ 大企業を除いて、自らコントロールしているケースは少ないと思います。多くの国際訴訟においては、ディスカバリベンダーの存在が知られることなく、米国の法律事務所が主役となり表舞台に立ちます。一方でその裏では、確実にディスカバリベンダーが作業に入る必要があります。そこで選ばれたベンダーの中には、送られてきた韓国語文書をすべて処理できないからと一部を無視するケースや、逆に、すべての韓国語文書を翻訳して時間やコストを肥大化させてしまうケースもあります。

池上 米国のディスカバリベンダーにとって、韓国語を扱う機会は少ない。英語のデータを処理するシステムは持っていても、韓国語を含めたアジア言語については検索システムなどを用いて効率的かつ適切に絞り込むことが難しい。そこに大きな課題があります。

 

変化しつつある
韓国の国際訴訟事情

──韓国国内のディスカバリベンダーの状況はいかがですか。

チョ ディスカバリ市場に参入したコンサルティング会社の中には、その後撤退したところもあります。市場規模そのものが、まだ小さいからでしょう。これでは、韓国企業の選択肢は狭くなるばかりです。こうした中で、UBICの役割はより大きくなっていると感じます。韓国と日本、米国で実績を持ち、現地にサポート拠点を置いているディスカバリベンダーは少ないですから。

──UBICのサービス、特に大きな強みであるプレディクティブ・コーディングは韓国でどのように活用されていますか。

チョ ある案件での実例ですが、人的なレビューを行った際に起こっているエラーをプレディクティブ・コーディングを使用することで見つけることができたのです。プレディクティブ・コーディングを活用すれば、優先順位を付けて重要文書を先に人的レビューに送ることができます。同時に、費用や時間を圧縮することもできる。ただ、韓国企業の多くはファーストレビューも含めて米国の法律事務所に任せているので、こうした認識が十分とはいえません。

池上 新技術が登場した当初、すぐに受け入れる人は少ないものです。5年前、10年前は誰もが、弁護士がレビューをするのが当然と考えていました。その後、米国の法律事務所が外注のレビュアーに委託するようになり、それを見た日本企業は「レビュアーは弁護士でなくてもいいのか」と気づき、同様の手法を導入しました。そして今、電子データの劇的な増加を受けて、米国や日本ではプレディクティブ・コーディングが普及しつつあります。同じ動きは、今後韓国でも顕在化するでしょう。

チョ 確かに変化は感じます。2年前、ある国際訴訟の関係で韓国の法律事務所を訪れたことがあります。ミーティングで顔を合わせたのは、米国人と韓国人の弁護士だけ。当事者である企業の関係者はいませんでした。今では、企業関係者も積極的に参加するようになりました。

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