判断は頭で、決断はハートでするもの

 勝負事では、判断と決断の両方が要求される。私に言わせれば、判断は頭でするものであり、決断はハートでするものだ。

 すなわち、なんらかの基準があってなされるのが判断であるのに対し、決断は基準がない。いわば賭けである。勇気が必要なのだ。

 ビジネスだって、「ここ」というときには、一発逆転を狙って一か八か、大きな博打に出なければならないことがあるはずだ。

 ある程度のリスクを覚悟しなければ、大きなリターンは得られない。斬新な製品やサービスも生まれえないのではないか。

 ところが、真面目一辺倒の人間は、判断はできても、決断ができない。

 的確な判断はできても、実行する決断ができないのだ。
 賭けには失敗がつきものだが、真面目一辺倒の人間は失敗を極度に恐れるからである。

 というより、そもそも失敗するリスクがあるようなことは、はなからやろうとしないのだ。

 しかし、いま述べたように、それでは大きな果実は得られない。
ある程度の不真面目さが、成長のためには必要なのである。


<新刊書籍のお知らせ>
『野生の教育論』 野村克也 著

【野村克也・特別寄稿】<br />野村克也は、嶋基宏をどう評価しているのか?<br />―不真面目のすすめ―

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知将・野村克也がなぜいま、「野生の教育論」を語るのか?
田中将大の「連勝記録世界新」は、いかにして生まれたのか?
日本シリーズでの「女房役」嶋基宏の評価はいかに?
相次いで引退表明した、宮本慎也、山﨑武司、桧山進次郎、石井一久は、なぜ40歳超まで現役を続けられたのか?
「理」を重んじる野村克也の「真の野生」が凝縮した集大成。
選手や部下の悔しさを引き出し、“眠った野生”に火をつける言葉!

『野生の教育論―闘争心と教養をどう磨くか』目次
◆【プロローグ】 なぜ、私が「野生の教育論」を語るのか
◆【第1章】 野生とは「闘争心×教養」である
◆【第2章】 マー君、神の子、不思議な子――「連勝記録世界新」は、いかにして生まれたのか?
◆【第3章】 野生を支える「教養」をどう磨くか
◆【第4章】 選手や部下の悔しさを引き出し、“眠った野生”に火をつける言葉
◆【第5章】 我慢力と感謝の心の育て方
◆【第6章】 小事が大事を生む
◆【エピローグ】 美意識と自己肯定で強く生きる

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