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12月27日 17時0分
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2013年 米国経済・マーケットを振り返る - マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部「米経済の「今」を読む -経済指標動向-」

2013年がまもなく終わろうとしている。米国は給与所得増税等の緊縮財政政策やシリア情勢の悪化、与野党の政治対立による政府機関閉鎖などを乗り越え、終わってみればダウ平均は約25%上昇、史上最高値を更新した(グラフ参照)。12月11日付レポートで紹介した「年末は株高となりやすいアノマリー」通り、米国株式市場はここへきてさらに高値を更新、上昇の勢いを強めつつある。

今回のレポートでは重要経済指標の2013年の動向を振り返り、来たる2014年の経済動向を考えてみたい。


■労働市場(非農業部門雇用者数)
非農業部門雇用者数は春先から堅調な回復の目安とされる前月差20万人増前後のペースで増加し、5月にバーナンキ現FRB議長が量的金融緩和の縮小(テーパリング)の年内開始について言及することにつながった。

失業率においても労働参加率の低下(失業者が職探しを諦めてしまうことで、失業者の集計から除かれ、実質的には労働市場が回復していなくとも失業率が低下する現象)の影響があるとはいえ、年初の8%から11月には7%まで低下した(グラフ参照)。

労働市場の回復は夏場にかけてやや失速し、9月のFOMC(連邦公開市場委員会)で懸念事項として浮上、テーパリングが先送りされる要因となった。ただ、結果的に失速は一時的なものにとどまり秋口から再び回復が加速、労働市場の回復は堅調であるとの判断から12月のFOMCでのテーパリングの実施が発表された。労働市場の堅調な回復は以下で紹介する堅調な個人消費や住宅市場の販売を下支えした。


■個人消費
個人消費も堅調に推移した。全米の約5,000社の小売業の売上高を集計した小売売上高は、変動の大きい自動車とガソリンを除いた指数において、すべての月で前月比プラスを記録した。新車販売台数においても年率換算1500万〜1600万台の堅調な販売が続き、リーマン・ショック前の2007年の販売水準まで回復した(グラフ参照)。


■住宅市場
住宅市場も底堅く推移し、上半期の米国の景気回復の牽引役となった。バーナンキFRB議長が5月にテーパリングの年内実施に言及して以降、量的金融緩和の解除を見越して米国の長期金利は上昇し、連動する住宅金利も短期間に1%程度上昇した。 住宅金利の上昇が住宅販売の回復を妨げかねないという懸念が浮上したが、結果的には夏場に一時的に販売が減少したものの、その後は回復基調を取り戻している。米国の住宅販売はリーマン・ショック前の水準にはまだまだ及ばないものの、2010年〜2011年に底打ちした後、堅調な回復をたどっている(12月20日付レポート参照)。


■企業景況感
企業サイドから見た景況感も高水準で推移した。50を上回ると景況感好転、下回ると悪化を示唆するISM景況感指数は、1度だけ5月に製造業で50を下回った他は年間を通して50を上回って推移した。夏場以降、製造業は一貫して55を上回る水準で推移するなど、企業の景況感は総じて良い1年だった(グラフ参照)。


■テーパリングの実施以上のように各種の経済指標が堅調に推移したことからFRB(連邦準備理事会)は12月のFOMCでテーパリング実施を決めた。

テーパリングの実施内容は、来年1月から不動産担保証券(MBS)の買い入れを月額400億ドル→月額350億ドル、長期国債の買い入 れを月額450億ドル→月額400億ドルとそれぞれ50億ドルずつ減額して、これまでの月額850億ドルの買い入れから100億ドル減額させるというものだ。さらに、(経済状況に応じて柔軟に判断するという注釈つきではあるものの、)今後はFOMCの開催ごとに月間100億ドルずつ資産買い入れを減少させ(750億ドル→650億ドル→550億ドル・・・・)、来年いっぱいで終了させるというのが基本路線とみられる。

テーパリングが発表された日にダウ平均は300ドル近く上昇、その後も史上最高値を更新していることから判断すると、市場は量的金融緩和の縮小というネガティブ要因を乗り越え、米国の実体経済改善というポジティブな要因に目を向けている。

あえて2014年に控えるイベントを紹介すると(1)FRBの体制変更(2)政府債務上限問題の再燃の可能性という2点だろう。

■FRBの体制変更
バーナンキ現FRB議長は2014年1月で任期が満了し、2月からはイエレン新議長がFRB議長に就任する。イエレン新議長は雇用問題を専門とする経済学者としてのバックボーンに加えて、長らく理事また副議長としてFRBの運営に携わってきた経験を持つ。加えて副議長に就任後はバーナンキ現議長が主導する金融緩和政策を全面的にバックアップしてきた経緯もあり、FRBの金融政策のスタンスが大きく変わる可能性は極めて低い。バーナンキ氏も12月のFOMC後の記者会見で、テーパリング実施にあたってはイエレン次期議長が全面的に賛同していることを強調した。

FOMCで投票権を持つ理事および地区連銀総裁が2014年に一部がタカ派に交替することから、これまでのような緩和的政策を維持しづらくなるとの指摘もあり、数少ない懸念点の1つである。(イエレン氏については10月16日付レポート「イエレンさんって、どんな人?」参照)

■政治対立による政府債務上限問題の再燃懸念
9月から10月にかけて「オバマケア」等を巡る与党民主党と野党共和党の政治対立により、次年度の予算措置が行えず、政府機関が約2週間閉鎖されるという異常事態が発生した。さらに米国政府債務が法定上限に近づいて、一時は米国のデフォルト懸念まで取り沙汰されたものの、ぎりぎりのところで政治決着による暫定合意が図られ事なきを得た。

まず、予算措置については先日2015年までの与野党合意が行われ、ひとまず政府機関閉鎖が繰り返される懸念は遠のいた。政府債務の上限問題等について合意に至っていない点が懸念として残っているものの、結局のところ何らかの形で政治決着を図る以外に選択肢はなく、米国経済に深刻な悪影響を与えることは考えにくい。(オバマケア問題については10月9日付レポート「米国で今、何が起きているのか?」参照)

■2014年米国経済見通し
これまで述べてきたように、足元の米国経済は堅調に推移しており、この基調は来年も続くと予想される。さらに来年は緊縮財政政策の影響が緩和する可能性が高く、それは米国経済にとって追い風となるだろう。実体経済の着実な回復が続くため、リスク資産の上昇は続くと予想している。

本年もマネックス証券と本レポートにご愛顧を賜りまして誠にありがとうございました。お客様からいただくご意見はすべて拝読し、レポートの品質向上の励みにしております。来年もぜひご愛読いただき、お気軽にご意見やご感想を頂戴できれば幸いに存じます。今後ともマネックス証券と本レポートを何卒よろしくお願い申し上げます。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕

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(マネックス証券)


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