QE3縮小決定を市場は好感
最大の不確実要素は後退

 2013年12月18日のFOMCで、FRBはQE3縮小に向けた決定を行った。今回、QE3縮小を市場が好感したのは、今回の対応の背景に、米国の景気回復への自信、財政の不透明感後退があったからだ。加えて、事前に予想されたよりも強力なフォワード・ガイダンスが提示されたことにある。

 また、2013年12月に生じた米国の財政合意と併せて、今回、2013年に市場が一貫して不安視してきた金融政策面での不透明感が大きく後退することで、民間経済にとってこの上ないクリスマスプレゼントになったと、みずほ総合研究所では評価した。

世界中、CPIは1%前後
ディスインフレに

 下記の図表1は、日米欧の消費者物価推移である。日本の消費者物価は上昇しているが、11月の水準は1.2%と1%をやや上回る程度だ。米国の物価はドル高と世界的商品価格の安定からディスインフレ的状況にあり、10月のPCEデフレーターは1.1%であり、日米の物価水準はどちらも1%をやや上回る程度である。

 欧州は景気低迷で物価トレンドは低下している。10月のユーロ圏消費者物価指数が前年比+0.7%とおよそ4年ぶりの水準に低下し(ユーロ版CPIショック)、11月は0.9%に戻ったものの、2014年には再び低下が見込まれる。

2014年はアップサイドリスクと景気拡大実感の年に <br />市場がもらった「永遠の0」のクリスマスプレゼント<br />――高田創・みずほ総合研究所チーフエコノミスト

日米が2%物価目標の
高いハードルを掲げ「永遠の0」に

 2013年12月18日にFRBはQE3縮小に踏み出す決断を行ない、同時にフォワード・ガイダンスの予想以上の強化を行った。声明文では「失業率が6.5%を下回っても、インフレ率が委員会の2%という長期目標を下回って推移し続けることが予想されるときには、当面現在の目標金利を維持し続けることが適切」とした。