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花王の攻勢に対抗し、結束強めた資生堂とユニ・チャーム

週刊ダイヤモンド編集部
2007年12月28日
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 日用品大手メーカー同士の提携話がようやく動き出した。資生堂とユニ・チャームの業務提携だ。

 そもそものスタートは2006年春に資生堂とユニ・チャームが新製品の共同開発、物流や販売網の相互利用など広範囲の業務提携を発表したこと。資生堂の生理用品「センターイン」をユニ・チャームに売却し、「資本提携も場合によってはありうる」(前田新造・資生堂社長)と目されていた。

 ところが、その後、提携話は遅々として進まない。「ユニ・チャームにとっては、業務提携となれば、資生堂にのまれてしまうという懸念が強くあった」(関係者)との声も聞かれるなど、すれ違いがあらわになってきたのである。

 局面打開に動いたのは資生堂のほうだ。2008年2月から、資生堂の「ウーノ ふくだけ洗顔シートN」の新製品と3つの既存品を、ユニ・チャームに生産委託することを決定。紙オムツや生理用品で培ったユニ・チャームの不織布の生産ノウハウを利用することによって、資生堂の製造コストは1割程度、削減される見通しだという。化粧落としや制汗シートなど、不織布分野での提携が加速するとも見られる。

 業界関係者のあいだでは、本丸である物流や販売網などの業務提携が加速する可能性が再び取り沙汰されている。資生堂のシャンプー「TSUBAKI」のヒットで風向きが変わり、「打倒TSUBAKI」とばかりに花王やプロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&G)の攻勢が激化しているからだ。

 資生堂が扱っている日用品はシャンプーなど洗浄にかかわる分野にすぎない。それに対して、花王などは生理用品や洗剤など日用品分野の総合力を発揮し、さまざまな売り場提案を行ない、営業担当がきめ細かく商品の陳列を行なっている。その点で資生堂は明らかに出遅れている。

 それだけに、紙オムツや生理用品最大手のユニ・チャームによるドラッグストアや量販店の販売網を利用し、人海戦術が取れるようになればメリットは大きい。

 他方、ユニ・チャームは、業績が順調なうえ、資生堂から譲渡された「センターイン」をリニューアルし軌道に乗せている。ユニ・チャームは「資本提携はない」(高原豪久社長)としているものの、海外展開などでの業務提携には前向きな模様だ。

 原材料価格高騰と小売りからの値下げ要求が強まっているなか、日用品メーカーの競争はますます激化している。ようやく進展し始めた日用品メーカー同士の提携は、業界再編を加速する可能性をはらんでいる。
(『週刊ダイヤモンド』編集部 大坪稚子)

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