駆け込み需要というお祭り騒ぎが終ると、消費者はピタリとモノを買わなくなってしまいます。その買い控えの時期をどう乗り切ればいいかを考えてみましょう。さらに今回は1年半後に再び消費税増税が待ち受けています。将来を見越した販促まで視野に入れるのであれば、できる限り増税後は安売りに頼らず、販促企画や商品力で「高く売る」という戦略を意識することも大切です。

祭りの後は……

 私の事務所は、千葉県成田市の「新勝寺」の参道にあります。そこでは、毎年7月に“祇園祭”が開催されて、毎年約40万人の人出で賑わいます。当然、参道の商店街の人たちは飲めや歌えのお祭り騒ぎ。知人の社長さんは私にこんなことを言ったことがありました。

「このまま、ずっとお祭りだったらいいのにな――」

 楽しい時間は永遠に続いてほしいと思うもの。終わった後のことは考えたくありません。

 それが、今年4月に迎える消費税の増税前と増税後の状況と言ってもいいと思います。消費税の増税というのは“全国一斉値引きセール”と同じ。3月に入るとたくさんの人が駆け込み消費に踊らされて、たくさんの商品を買いあさります。

 当然、売り手側は嬉しい悲鳴をあげると思います。宣伝もしていないのにお客さんがお店に殺到するわけですから、こんなお祭りのようなセールは滅多にありません。そして、おそらく、駆け込み消費で盛り上がるお店の人は、こう言うでしょう。

「このまま、ずっとお祭りだったらいいのにな――」

 さて、ここで現実的な話をしたいと思います。お祭りはずっと続くものではありません。必ず終わります。気を引き締めて、現実的な増税後の販促について講じたいと思います。