営業の教えはこの本から始まっていると言っても過言ではない。ついに、『[新訳]営業は断られた時から始まる』が刊行! 伝説のセールスマンとして、全米12人のひとりに選ばれたE・G・レターマンの営業術を、本の解説とともに紹介する。どんなにツールが進化しようとも、営業の基本は変わらない。

 1953年に刊行された『営業は断られた時から始まる』(原題・The Sale Begins When the Customer Says “NO”)を上梓したE・G・レターマン(以下、レターマン)は、その前年、『12人のセールスマン』という本に寄稿を依頼された。ほか11人の顔ぶれはいずれもそうそうたる人物。百貨店業界、ホテル業界、その他各業界で名を馳せた一流のセールスマンばかりであり、アメリカにおけるもっとも優秀な12人のセールスマンのひとりに、レターマンは選ばれたのだ。

 寄稿した筆者たちの中には、IBM社の経営にすばらしい手腕を発揮した、トーマス・J・ワトソン、イギリスの古物商の息子として生まれ、フィリップ・モリス社の取締役会長に上り詰めた、アルフレッド・E・ライオンも含まれている。

 著者のレターマンは、当時、あまり知られていなかった団体保険を取り扱っていた。団体保険を売っているセールスマンがなぜ、アメリカ全土から、また大企業のトップと肩を並べるほどのセールスマンとして評されたのか?

 それは、彼の「営業術」によるところである。本書では、レターマンの驚くべき営業秘話を楽しんでもらいたい。アリが恐竜に挑むようなエピソードや、自分の名を多くの人に知ってもらうためにどのような手法を取り入れたのか、私たちが見習うべき手法が色あせず存在している。