「レンタル友達」がジワリと拡大しつつある。いわゆる「便利屋」ビジネスを行う企業に寄せられる依頼内容の一つだったが、近年、さまざまな“用途”で依頼が寄せられるようになっているという。そもそも友達はレンタルされるものなのか、レンタルされた友達を友達と言えるのか……。これまでの価値観をひっくり返すような概念だが、現代社会には確実にニーズが存在し、それがビジネスになっているのだ。背景には何があるのだろうか。(取材/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)

曖昧な彼の気持ちを知るため
“空気の読めない友達”を活用

「付き合っている彼の私に対する本気度を知りたい――」

 昨年12月下旬、都内に住む30代女性からこんな依頼が舞い込んだ。依頼を受けたのは女性スタッフだけの便利屋、クライアントパートナーズ。同社は早速、依頼人と作戦を練った結果、“空気の読めない友達”を派遣することにした。

 段取りはこうだ。まず依頼人がクリスマスイブに彼とデートをする。そのデート現場でばったり、“空気の読めない友達”と依頼人は会う。そこで彼に聞こえるように立ち話をする。

「彼、この間、合コンで知り合った人?」(空気の読めない友達)
 「あっ……、違うんだけどね」(依頼人)
 「そうなんだー、いいねー」(空気の読めない友達)

 こうした意味深なやり取りをすることを打ち合わせ、実際、この“空気の読めない友達”はデート現場に派遣され、段取りに沿ったやり取りが行われた。