今回は、前回取り上げた30代のテレビディレクターと親しい、30代の「自称・構成作家」を紹介しよう。2人は親しい間柄だが、共通の敵がいる。それは、30代後半から50代にかけての「おっちゃんたち」である。

「自称・構成作家」の小山田恵一(仮名・34歳)は、番組制作プロダクションに勤務する。社長やその取り巻きのディレクターやプロデューサーである「おっちゃんたち」にいじめ抜かれる日々だ。

 小山田は10年ほど前、新卒での就職に「失敗」して以降、苦難を重ねて現在に至った。その姿はバイタリティに溢れるものであるが、少々不器用に見えなくもない。いつの時代も、人間30代前半くらいまでは迷いの中にいるものだが、小山田はとりわけ生きることが下手に思えなくもない。

 中高年からのいじめに苦しむ人たちにこそ、ぜひ読んでもらいたい。小山田の生き方に、何かを感じ取ってもらえると思う。


“おっちゃん”たちからの執拗ないじめ
「もうテレビ界から足を洗おうかな……」

「コウモリとかスパイと呼ばれ、先輩からいじられる。もう、テレビの世界から足を洗おうかな……」

 自称・構成作家の小山田恵一(仮名・34歳)が、不満を吐き出すのかのように話す。その横に、前回の記事で取り上げた三笠(仮名・32歳)が座る。

 2人は、数年前から親しい間柄である。ともに、テレビ界に籍を置く30代後半から50代のディレクターやプロデューサーらによる「若手潰し」に不満を抱え込む。

 2人は、「クリエィティブなんて呼ぶのには、ほど遠い世界。将来がないおっちゃんたちの不満を晴らすための、いじめにしか見えない。あの人たちは、必死に自分を大きく見せようとしている」