求めるグローバル人材を企業が育成
留学経験が就活で不利にならない仕組み

 官民が協働することの利点について、詳しく教えていただけますか?

船橋 これまでの国費留学では、経済困窮者に対して研究目的や大学プログラムに基づいた支援をしていました。ですが、今回は民間の資金や力を投入して官民が協働することから、企業が求めるグローバル人材育成のための支援を行います。学生は企業の採用面接のようなプロセスで選抜します。

 なるほど。

船橋 選抜された学生は官民からの手厚い研修やインターンのほかに、留学中は企業の方がメンターにつくこともあります。それに、学生は企業が求める人材へと育てられることもポイントのひとつ。コースとして、(1)新興国で活躍する人材、(2)理系人材、(3)TOP100、(4)地域、(5)一芸に秀でた多様な人材などに分けており、成長戦略に沿ってモノづくりや農業、ITなどのテーマにあわせて留学させる仕組みを作っていきます。また、企業と学生が交流できるコミュニティも作りたいと考えています。

 民間の資金を使って官民協働で事業を起こし、グローバル人材を育成していくというのがこのプロジェクトの最大の特長ですね。

船橋 その通りです。民間の資金をこの規模で使うというのは文科省では前例がありません。文科省単独であれば、企業が求める人材を育てることは難しいですが、企業は自分たちが求める人材を育てることができる。画期的なプロジェクトだと思っています。

 よく、留学すると就職が1年遅れるから就職活動に不利になると言う方がいらっしゃいますが、このプロジェクトならその心配が一切なくなりますね。学生は留学することで企業が求める人材になれるのだから、プラスに働く。むしろ、就職には圧倒的に有利になる。民間がお金を出してほしい人を育てる、グローバル展開するために必要な人材を作り出す、21世紀型のグローバル人材育成プログラムですね。留学はひとつの入り口であって、企業の大規模研修プログラムと言えます。しかも、スポンサー企業には魅力的な企業が名を連ねていますし。日本を大きく変える可能性を秘めていますね。