株式レポート
1月31日 18時0分
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大きく揺れ動いた1月のマーケット〜想定できた事とできなかった事〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

来週の重要経済指標、主要企業決算についてPDF版のレポートで解説しています


1月の世界のマーケットは大きく揺れ動いた。本日(1月31日)の米国市場はどうなるか分からないが、月間ベースで2013年8月以来の5か月ぶりの株安になりそうである(グラフ参照)。そして、昨年末までの円安基調も転換し、円ベースでは米国を含め外国株、そして日本株も同様に厳しいパフォーマンスとなり、不確実性の高まりから日々の変動率も大きくなった。


これまでレポートでも何回か紹介してきたが、筆者は月に1度、動画「マーケットの歩き方」で、株式や外貨建て資産(ドル円)への自分なりの投資判断をお伝えしている。1月16日に撮影したが、米・日・新興株式市場、コモディティ、米国の経済指標、トピック、など15分程度で紹介している。通常、米雇用統計の発表後に速報性が高い経済データを分析し、それを踏まえマーケットをどう見るかということである。

今月は、1月10日に発表された12月雇用統計が下振れ、株価が下落した直後だった。1月14日レポートで紹介したが、雇用統計の下振れは、異例の寒波で説明できたので、これで株価が下がったら通常は買いである(グラフ参照)。それ以外の経済指標から、リスク資産に対して投資できるフェーバーな経済環境はほぼ変わらず。雇用統計下振れで市場心理が悪化し、ファンダメンタルズに乖離するなら、それを投資機会として強調することも考えた。


一方、年明け以降、筆者は昨年末までの世界的な大幅な株高、金利上昇の勢いに違和感を持っていた。本動画で述べたのだが、昨年末まで世界の金融市場は、米FRBのテーパリング(量的金融緩和縮小)への反応を含め「いいとこ取り」で、動いていた面があった。筆者自身は、FRBの12月のテーパリングの判断が間違っている可能性が高いと考えていないが、その評価を含めて市場が「軽いユーフォリア」に浸っていると感じた。

この動画は、主に経済指標というファンダメンタルズの方向を重視して投資判断をお示ししている。米国を中心に経済動向や政策当局の動きなどから、半年先程度までの株式・為替などの方向である。一方それぞれの資産の評価について、++(強い買い)や+(買い)と違いもお示ししている。それは、株式市場などは短期的に過熱感が強まったり、悲観論に傾く場面があり、その判断を反映させるためである。++は「株高に追随or反転が近い」、+は「高値警戒、下がったところで押し目買い」というイメージである。

筆者は海外株(外貨・株式)について、2013年11月、12月まで++と「強い買い」の判断をお示しした。経済指標改善も著しく、それを素直に反応するマーケットと判断した。ただ、年末までの市場の軽いユーフォリア(やり過ぎ)がある中で、動画で指摘しているがFRBの体制移行の中で政策判断を巡る思惑もあり、確たる根拠はなかったが高揚していた市場心理が変わるリスクを感じた。このため、++→+とやや慎重な方向に判断した。動画をみてご覧頂ければ分かるが、最後の結論は、「米経済の回復は途切れず、押し目買いを狙える」がメッセージだった。

なお、2013年5月の日本株の大幅な調整前に、++から+にやや慎重な方向に変化させた。この時に似た感覚を抱いたのである(「『月刊マーケットの歩き方』と1年を振り返る」をご参照)。なお、株式などを、+(買い)から、0(中立)や-(売り)に変化させるときは、経済指標から景気減速のリスクが高まったと判断した時である(例えば、2011年3月の東日本震災直後に、景気後退入りを想定した時の日本株への判断)。1月時点の米経済指標の僅かな変化だけならば、投資判断を変更させるまでもないが、市場心理の変化や株価水準を意識した。

実際には、米FRBの体制変更に対する思惑ではなく、この動画撮影後の1月後半から、テーパリングが及ぼす新興国を巡る資金フローへの思惑が意識され、シャドーバンキングを巡る中国発のニュースが重なった。そして、新興国で大幅な通貨安が訪れ、世界的な広範囲のリスク資産売りと円高が起きた。なお動画でも「新興国が弱い」と一言だけ言及したが、実際に起きた大幅な新興国の通貨安、「通貨危機のリスク」が市場で意識されるとはもちろん予想しなかった。

主たる理由は違ったが、FRBの政策判断を巡る思惑が一つの悪材料となり、1月は、「リスク資産の押し目を狙う」戦略が功を奏する状況になった。現在の米株価やドル円の水準は、12月のテーパリング決定前に戻ったと位置づけられる(先のグラフ参照)。テーパリングを巡る楽観が修正され「仕切り直し」となった。

2014年は米国を中心とした世界経済回復という大局観を、筆者は持っており、現在は、2013年11,12月時点の判断と同様に、++(強い買い)の領域にあるのではないかと考えている(既に、いくつか1月分の景気先行指数が発表されている)。また、新興国の通貨安についての筆者の見方は1月27日レポートでお伝えした。今週以降発表される、米欧中の経済指標の結果を踏まえて、ご報告させていただきたい。

なお、本レポートで、動画「マーケットの歩き方」の判断が、「ある程度」当たったケースしか紹介していないと思われた方もいるだろう。もちろん、筆者の判断がいつも功を奏するわけではなく、誤った判断をしている時もある。直近1月分の判断についても、株安とともに、大きく円高が進んだ。外国債券について中立(0)か弱気(-1)と慎重方向に変更すべきだが判断を維持した。新興国の通貨安が、大幅な円高をもたらすシナリオを想定しなかった。

また、先に紹介したが、アベノミクスで盛り上がった2013年についても、5月急落前の判断を含め総じて方向は正しかった。ただ、2013年後半から、外国株と比べて相対的に日本株について慎重な判断を示した。消費増税決定が「アベノミクスの揺らぎ」であり、日本株にとってマイナス材料になると考えたからだ。

ただ、7月以降レンジ相場が続いた後、米国株高に後追いする格好で、日本株は11月半ばから大幅高を演じ好パフォーマンスとなった。この間、外国株が相対的に投資妙味が高いとみていた筆者の判断は間違えていた。今後も試行錯誤しながら、自分なりの見方を提供させて頂きたい。

なお、現在は、日本株と外国株の投資判断に差はない。消費増税の悪影響は大きいが、輸出・設備投資など総需要の拡大によって、増税ショックは短期間で収束すると見通しを変更したからである(1月10日レポート参照)。




(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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(マネックス証券)


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