株式レポート
1月31日 17時0分
マネックス証券

バーナンキに花束を〜イエレン新体制の発足〜 - マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部「米経済の「今」を読む -経済指標動向-」

2014年1月FOMC(連邦公開市場委員会)結果
長期国債購入:月額400億ドル→月額350億ドル
MBS債購入:月額350億ドル→月額300億ドル

■事前予想通り追加の金融緩和縮小が決定されたFOMC
28日〜29日にかけて行われたFOMCにおいて長期国債の購入を月額400億ドル→350億ドル、MBS債(不動産担保証券)の購入を月額350億ドル→300億ドルと、毎月の債券購入金額を月額750億ドル→650億ドルに減額することが決定された。月額100億ドルの減額は12月のFOMCで決定された縮小ペースと同一で、市場のコンセンサス通りであった。ただ、市場の一部では新興国で起きている通貨安と経済不安を考慮し、減額ペースを緩めるのではないかとの見方もあった。バーナンキ現FRB議長は量的金融緩和の縮小(テーパリング)開始を決定した12月のFOMC後に行った記者会見で、今後も経済状況に大きな変化がなければ同様のペースでテーパリングを行うことを示唆していた。1月も引き続き緩和縮小を実施したことで、FRBが米国経済の回復に自信を持っていることを示した格好となった。

さらにそのFRBの自信を裏付ける形で、30日に米国の10〜12月期の実質国内総生産(GDP)速報が発表となり、年率換算で前期比3.2%増と堅調な結果となった。住宅投資や政府支出が減少した一方で、堅調な個人消費や輸出が成長をけん引しており、米国経済の回復が継続している状況が明らかとなった。

そして、今回のFOMCは2006年からFRBを率いてきたベン・バーナンキ議長にとって、最後のFOMCとなった。(バーナンキ氏のFRB理事としての任期は2020年まで残っているが、議長退任とともに理事の座も退く。)明日(2月1日)からは現FRB副議長のイエレン氏が新議長としてFRBを率いていくこととなる。(2月3日にイエレン新議長の宣誓式が予定されている。)

本レポートではまもなく発足するイエレン新FRBと新たなFOMCの体制について紹介したい。

■イエレン議長、フィッシャー副議長の新体制となるFRB
2月1日から新たなFRBの体制が発足し、現副議長のイエレン氏が議長に昇格する(FRBとFOMCの仕組みについては右記の図参照)。昨年10月16日付のレポートで紹介したとおり、イエレン氏は元々雇用についての研究を専門とする経済学者である。これまで大統領経済諮問委員長、サンフランシスコ連銀総裁、FRB理事などを務めた後2010年からはFRB副議長に就任しており、豊富な経験を持っている。


イエレン氏は副議長在任中、バーナンキ議長の右腕としてFRBの金融緩和政策を主導してきた人物である。ただ、イエレン氏は金融緩和一辺倒の人物ではない。1996年には過度なインフレのリスクがあるとして当時のグリーンスパンFRB議長に対し金融引締めを提案するなど、経済指標を見ながら客観的に政策判断を行うことのできる人物である。これまでのFRBの政策を踏襲しながらも、経済状況の変化には柔軟に対応するだろう。

そして、イエレン氏と同様に注目を集めているのが2月から新たにFRB副議長となるスタンレー・フィッシャー氏である(ダラス連銀総裁で2014年のFOMCで投票権を持つリチャード・フィッシャー氏もおり少し紛らわしい)。世界銀行のチーフ・エコノミストや国際通貨基金(IMF)筆頭副専務理事などを歴任後、2005年から昨年6月までイスラエル中央銀行総裁を務めていた。イスラエル中銀総裁としてリーマン・ショックなどの金融危機に対応、2008年10月から2009年3月まで連続で利下げを行うなど大規模な金融緩和を実施、イスラエル経済の早期回復を主導したとして高い評価を受けている。一方で2005年から2006年にかけては4.5%から5.5%までの政策金利の利上げを行った実績を持つなど、経済状況から柔軟に金融政策を変更するという点は、イエレン氏と同様である。

フィッシャー氏は過去に大学でバーナンキ現FRB議長や昨年の一時期に次期FRB議長の最有力候補となったサマーズ氏を指導しており、まさに金融政策の大家と呼べる人物だ。イエレン議長と役割分担をしてバランスを取りながら金融政策を決定していくと思われるが、現在FRBが採用している「フォーワード・ガイダンス」について2人の意見が対立する可能性がある。
フォーワード・ガイダンスとは、中央銀行が将来の金融政策の方針を明示することを言う。現在のFRBは「失業率が6.5%を下回ってもかなりの期間は金利をゼロ付近にとどめる」というフォーワード・ガイダンスを採用している。まさにイエレン氏はバーナンキ議長とともにフォーワード・ガイダンスをFRBに導入したとも呼べる人物である。一方、フィッシャー氏は過去にフォーワード・ガイダンスに対して否定的な発言をしている。現在は考え方が変わっている可能性があることに加え、FOMCは合議制であるため2人の意見対立が深まったとしてもそれだけで政策が決定されるわけではないが、イエレン氏とフィッシャー氏の意見対立が政策決定に影響を及ぼす可能性は否定できず、今後の議論のゆくえに注目していきたい。

フィッシャー氏のFRB加入の他にも、2014年に新たにFOMC投票権を持つ人物としてフィラデルフィア連銀のプロッサー総裁と前述のダラス連銀のリチャード・フィッシャー総裁が加入したことにも留意したい(地区連銀の総裁はニューヨーク連銀を除き、毎年投票権を持つ銀行が交代する。2014年の体制は以下の表参照)。2人は現在の金融緩和政策に否定的な「タカ派」として知られるからである。FOMCでの議論の際に量的金融緩和の縮小についてより積極的な意見を表明する可能性があり、FOMCでの意思決定に大きな影響を及ぼす可能性があるためだ。


以上のように金融政策の難しい舵取りが求められるイエレンFRBだが、上述したように現在は「失業率6.5%」がFRBのフォーワード・ガイダンスの具体的な数値となっている。米国の12月の失業率は6.7%とガイダンスの数値に近づいており、既にFOMCではフォーワード・ガイダンスの変更について議論が行われている。新体制の門出となる次回のFOMCは3月に行われる。ガイダンスについて何らかの示唆が行われる可能性もあり、次回FOMCの決定内容には一層注目したい。

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