この「一度、考えておくよ」という言葉をなかなか切り崩せないのです。勢い余って熱意で押し切ると、契約後にキャンセルになったり、保留になったりします。この時に行っていた営業法は、一から商品やサービスをお客様に丁寧に説明して、興味を持ってもらおうとする方法です。これを私は「説明型営業」と呼んでいます。

 15年ぐらい前からインターネットによる情報化時代に突入しました。そして、この説明型営業は通用しなくなりました。今までなんとか乗り切ってきたものの、この時期に壁にぶち当たったのです。この時、私は営業法を根本的に見直さなければいけないと思いました。

 そして、ついにたどり着いた方法が「質問型営業」なのです。これは「アプローチ」から「クロージング」までをすべて質問を優先に行う方法です。この質問型営業は私の営業に革命を起こしました。

「お客様に“説明”する営業」から「お客様に“質問”する営業」への転換でした。これは、今まで行ってきた営業の真逆です。そして、この転換が、長い間悩みであった「アプローチ」と「クロージング」を見事に解決することになったのです。

営業に必要なのは、
「説明」ではなく、「質問」である

 質問型営業は事前にお客様の欲求が高まるように、段階的な質問を用意します。これがアプローチでは強力な効果を発揮します。お客様はこの質問のアプローチにより、営業マンの持っている商品・サービスの話を聞きたいと自然に求めてくるのです。カタログなどは一切不要です。必要なのは営業マンのお客様への「質問」なのです。

また、クロージングでも、「質問」によりお客様の購入意志を見極めることができるようになりました。もともと、興味を持っていることがわかれば、クロージングまで話は一気に進みます。