自己防衛するために必要なこと

 また、近頃こういう人たちが増えてきたためか、最近は税務署のチェックが厳しくなっています。
 つまり、こちらが副業を事業所得で申告したとしても、税務署が認めないケースが出てきたのですね。
 事業所得として申告しているが、果たしてこれは事業性のあるものなのかどうか。キチンとした副業ならともかく、副業と言えないような「なんちゃって副業」は、事業所得とはしないというわけです。

 事業とみなされなければ、そこで得た所得は「雑所得」扱いになります。その結果、前述した損益通算ができなくなる、つまり「税金の取り戻し」ができなくなるわけです。

 ですから、そこそこキチンとした副業をする場合で気をつけなければならないのは、「雑所得」とみなされないようにすることなのですね。

 このあたりの判断で重要なのは「継続反復性」というキーワードです。

 要するに、一つのビジネスとして成立しているかどうかが大事で、スポット的なものやそれなりの規模にないものは事業とはみなされない、というわけです。
 自分の副業が「事業所得」になるのか「雑所得」なのか、ぜひとも身近にいる地元の税理士さんに相談してみてください。
 なお、同じ副業でも損益通算ができないものがあります。
 その代表が、株式やFX(外国為替証拠金取引)などの譲渡所得で、これらは「分離課税」といって、ほかの所得とは別に集計することになっていますが、今回は省略します。
 不心得者のせいで大多数の真面目な納税者が割を食ってしまっていると言っても過言ではありません。
 しかし、決してそういう人たちとつき合ったりせず、自己防衛のために、いま以上に税金に対する関心を持つことこそが、これからのビジネスパーソンにとって必須のスキルなのではないでしょうか。


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岩松正記(いわまつ・まさき)
通称“ぶっちゃけ税理士”。東北税理士会所属。山一證券では同期トップクラスの営業成績。アイリスオーヤマの財務・マーケティング、ベンチャー企業の上場準備担当役員や会計事務所勤務など、10年間に転職4回と一時期無職になった経験を活かし、創業から事業承継・M&Aまでを網羅して中小企業を支援。何事にも本音でぶちあたるその姿が共感を呼び、政府系起業支援団体の第1期アドバイザーとして指名数東北・北海道ナンバーワン(全国3位・起業相談部門)となったほか、メガバンクや企業での講演、プレジデント・日本経済新聞への掲載などマスコミ取材も多数。関与した経営者は2000人超。元査察の税理士に仕えていたため、税の世界の裏事情にも詳しい。