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雇用統計直前レポート 〜いつも以上に予測困難な2つの理由〜 - マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部「米経済の「今」を読む -経済指標動向-」

ADP雇用統計(前月差) 1月 +17.5万人 市場予想 +18.5万人 前月 +22.7万人(下方修正)
ISM非製造業景況感指数 1月 54.0 市場予想 53.7 前月 53.0
(予想)(政府発表)雇用統計 1月 市場予想 +18.3万人 マネックス証券 ―

■増加ペースがやや鈍ったADP雇用統計
昨日(5日)、米雇用関連会社のオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が1月の「民間非農業部門雇用者数」を発表し、前月から17.5万人の増加と市場予想(18.5万人の増加)を下回り、前月から増加幅が縮小する結果となった(グラフ参照)。12月分は23.8万人増から22.7万人増へ小幅に下方修正された。


17.5万人増は特段悪い数値ではないものの、市場予想を下回ったことや増加幅が昨年夏場以来の水準にとどまったため、明日(7日)労働省が発表する雇用統計の不透明感が強まり、昨日のNYダウ平均は一時前日比100ドル程度下落した。

■堅調だったISM非製造業指数
昨日発表されたISM非製造業景況感指数は、54.0と市場予想(53.7)を上回り、前月(53.0)から改善した(グラフ参照)。


3日(月)に発表された製造業の同指数が約3年ぶりの大幅な悪化となったことが米国経済の先行きに対する不透明感につながり、株式市場の調整を招いた。非製造業指数が堅調に推移したことは、製造業指数の悪化が寒波による一時的なものであるとの観測を強め、昨日の米国株式市場はISM非製造業指数の発表後に値を戻した。

■1月分の雇用統計予測が困難な2つの理由
労働市場の先行指標となる新規失業保険申請件数は12月時点から減少(望ましい)している。また、上述した1月のISM非製造業景況感指数の雇用に関する調査は(55.6→56.4)と改善した。以上のように労働市場に関する主要な経済指標は改善基調が続いている。


経済指標から素直に判断すると、1月の雇用統計は改善する可能性が高いと言える。ただ、2つの要因から1月分の雇用統計が市場予想(18.3万人増)のように改善するかどうかは不透明である。

1つは米国を襲っている寒波による影響が継続しており、その影響度を推計することが困難なことだ。1月14日付レポートで記したとおり、12月分の雇用統計で非農業部門雇用者数が大きく落ち込んだのは米国を襲っている大寒波による一時的な悪影響の可能性が高い。1月分の調査も引き続き影響を受けていると考えられるが、影響度合いを具体的に推計することは非常に困難である。

もう1つの要因は今月の雇用統計では過去統計も含めたリバイス(改定)が行われることである。米国労働省が毎年行っている統計方法の技術的な変更が1月分から適用される。

以上2つの要因から、元々ブレが大きく予想がしにくい非農業部門雇用者数がさらに予測困難になっている。通常よりも市場予想自体があてにならないので、発表値が市場予想から大きく乖離する可能性が高い。今月は予想が困難なため具体的な数値予測は控えるが、敢えて言えば現段階の市場予想はやや高すぎるかもしれない。

■用語解説
雇用統計(米国)
米政府による雇用環境を調査した統計。発表される統計のなかでも、失業率(働く意欲がある人口に占める失業者の割合)と非農業部門雇用者数変化(農業従事者を除いた雇用者数の増減)が市場で注目されやすい。通常は月初の金曜日に前月分が公表される。

ISM製造業(非製造業)景況指数 全米の製造業(非製造業)企業を対象として、主に新規受注・生産・雇用・在庫・供給遅延(非製造業では異なる)に関する景況感が改善したかを問うアンケートの結果をもとに作成される。製造業景況感の方向性[改善傾向 又は 悪化傾向]を示す指標。一般に、50を上回れば景況感の改善、下回れば景況感の悪化を示す。

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