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旭硝子 TFT偏重脱却し、収益基盤築けるか。新体制に求められるスピード経営

週刊ダイヤモンド編集部
【第4回】 2008年3月31日
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2007年12月期に過去最高の営業利益1975億円をたたき出した世界トップのガラスメーカー、旭硝子。徹底した合理性と収益主義で知られる同社だが、利益の約半分は液晶テレビ用ガラスが稼ぎ出す偏った収益構造が悩み。石村和彦新社長の課題は、新たな収益の柱を確立することにある。

 2007年9月、全社で5つあるカンパニー・事業本部の一つである、エレクトロニクス&エネルギー(E&E)事業本部が、あるビジョンを策定した。

 「E&Eビジョン~AGC(旭硝子)のイメージを変える存在へ」――。手がけたのは次期社長就任予定の石村和彦・上席執行役員同事業本部長だ。その中には「E&Eの基本理念、文化、仕事のスタイルなどが次世代のスタンダードとして社内に波及する」などとした未来像が盛り込まれていた。

 このビジョンは、外部にこそ発表されなかったが、内部に“ショック”が走ったのは間違いない。後でも触れるが、DVD用光ピックアップフィルターや半導体製造装置用ガラスなどを製造する同事業本部は「将来の収益の柱」に位置づけられているが、現行では利益はわずか。売り上げも1000億円弱と他のカンパニーに比べると大きく見劣りする存在だったからだ。

 2007年に創立100周年を迎えた旭硝子には、「重厚長大」「大き過ぎて変われない」「スピード感に欠ける」などのイメージがつきまとっている。一事業本部が大胆なビジョン策定に至ったのは、企業文化を一新しようというショック療法的な狙いもあったと見られる。

 実際、E&E事業本部の製品のライフサイクルは極端に短い。たとえば光ピックアップ用フィルターなどを製造する光デバイス事業については、「毎年売上高の約30%が新世代の商品に置き換わる」(宮地伸二・AGCエレクトロニクス社長)という世界である。

 「新たな商品、事業を次々と創出して、儲けなければいけない。今までの旭硝子とはカルチャーが違う。この仕事のやり方は旭硝子のスタンダードにするべきではないかと考えた」と石村本部長は言う。

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