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2月12日 18時0分
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(ちょっと気が早いけど、来月もまた)雇用統計に賭けろ!PART2 - 広木隆「ストラテジーレポート」

2月6日付けレポート「雇用統計に賭けろ!- 期待値、再び」の要旨は以下の通りであった。

・ 7日に発表される米国雇用統計で非農業部門雇用者数(NFP)の伸びは、①市場の予想を下回る、②市場の予想を上回る、③市場の予想通りとなる、の3つのケースしかない。

・ このうち、①市場の予想を下回る低調な結果となっても、市場には備えができている。寒波の影響で経済統計が下振れしたケースはさんざん見てきた。3日に発表されたISM製造業景況感指数は大幅に予想を下回り、ダウ平均は300ドル超も下落した。いまさらNFPが悪くても、「サプライズ」にはならない。仮に株式相場が下落しても下げは限定的だろう。

・ 反対に、市場の予想を上回れば素直にポジティブ・サプライズで株は買われるだろう。そして③の予想通りの結果となれば、「やはり前回12月の統計は寒波の影響だった、米国の雇用は順調に回復している」ということを確認することになるため、市場は好感するだろう。

・ シナリオの実現確率としては①が大きいものの、その場合でもダウンサイドは限定的である。②と③は実現確率としては低いものの、仮にそうなった場合は大幅な上昇が期待される。今回の雇用統計発表というイベントに賭ける期待値はプラスで、ロング(買い持ち)サイドに有利な賭けとなっている。

結果はみなさん、ご存じの通り。自己評価は、一応「結果オーライ」とした(10日付レポート「ぜんぶ雪のせいか」ご参照)。

7日に発表された雇用統計は、NFPが大幅に下振れした一方、失業率は労働参加率の改善を伴って低下するという、好悪入り交じる内容。悪天候がどこまで影響したのか、しなかったのか、その点も不透明である。つまり、白黒つけるのは来月に持ち越しだ。さあ、次回はどうなるだろう。雇用統計の結果のことではない。雇用統計がどうなるかなんて予想しても当たらない。当たらない予想に賭けることはギャンブルである。ギャンブルでないのは「プラスの期待値」に賭けることだ。

同じように考えよう。非農業部門雇用者数(NFP)の伸びは、①市場の予想を下回る、②市場の予想を上回る、③市場の予想通りとなる、の3つのケースしかない。これはいつも同じである。そして、②と③が実現した場合の市場の反応も前回と同じ想定でいいだろう。市場の予想を上回れば素直にポジティブ・サプライズで株は買われ、③予想通りの結果となれば雇用回復確認でやはり市場は上昇するだろう。

問題は①市場の予想を下回る低調な結果となる場合だ。昨年12月と今年1月の統計が大幅に下振れた。それでも市場は寒波の影響などを考慮して、「大目に見てきた」。次回、3月上旬に発表される2月の統計もまた下振れてしまった場合、3回目はない。「3度目の正直」だ。今度こそ、米国の労働市場の回復は鈍いという烙印が押されることになるだろう。

さて、その場合、株式市場はどうなるか?雇用の伸びが弱いと米国景気の先行きを悲観して売られるだろうか?そうはなるまい。次回の雇用統計の結果は、その約10日後に開催されるFOMCの議論を左右する。FOMCがどういう決断を下すかは分からないが、2月分の雇用統計が悪化した場合、市場では「テーパリング休止」期待が浮上するはずである。

昨日、ジャネット・イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、半期に一度の議会証言を行った。米下院金融サービス委員会で彼女は、「慎重なペースで資産買入れ縮小を継続する」公算が大きいと述べつつも、それは「既定路線にはない」と付け加えることを忘れなかった。質疑応答で、テーパリングを休止する可能性について「見通しの著しい変化が必要」と回答し、「労働市場の広範なデータ、および消費や経済成長」を注視すると述べた。注目すべきは以下の発言だ。12月と1月、過去2回の雇用統計については、「自身の予想を下回って驚いた」と述べたのである。
次回、2月分も予想を下回るものとなれば、やはりイエレン議長は驚くだろう。イエレン議長を驚かすような雇用の悪化はFOMCの結果に影響する。そう市場は考える。テーパリング休止期待が一気に膨らむだろう。

だから、次回の雇用統計が悪いケースでも、テーパリング休止期待が株式市場を支えるだろう。次回もまた、ダウンサイドが限定的でロングに有利な賭けとなるに違いない。

重要な点は、<雇用統計の結果やFOMCの決定を「予想」して、それに賭けるのではない>というところである。それはどうなるか分からない。僕が予想しているのは市場のセンチメントである。あえて言えば、<市場の「予想」>を予想しているということかもしれない。

かなり気の早い提案だが、来月もまた「雇用統計に賭けろ!」である。

いくらなんでも早すぎるって?この商売、早い者勝ちである。他者にアイデアを先に出されてしまえば、後追いになる。それほど格好悪いことはない。次のレポートの予告もしておこう。次のレポートのタイトルは「It’s a Sony」である。他者に取られる前に、頭出しである。

でも次の雇用統計まで待てないって?どうせ上がるなら今から買っておく?それもいいだろう。ダウ平均は昨年末高値からの下げを半分取り戻した。「半値戻しは全値戻し」という格言がある。再び高値を取りにいくだろう。実は「半値戻しは全値戻し」にはもうひとつの解釈がある。それは「半分まで戻ってきても、それ以上は高値抵抗があって利益確定の売りに押されるから、半値まで戻したら、さっさと売却したほうが良い」というものだ。



でも今回は本来の意味の全値戻しとなる可能性が高いと思う。より市場の動きを広範に表すS&P500は既に下げ幅の約4分の3を戻しているからだ。ナスダック総合指数にいたっては1月22日に高値をつけて2月3日が安値、その下げ幅の76.4%フィボナッチ・リトレースメントをクリアした。急速に調整完了である。ナスダック総合指数の右肩上がりのトレンドは崩れていない。ナスダック銘柄が主導し米国株式市場は再び高値に迫る上昇を見せるだろう。出遅れているダウ平均も上がるだろう。



さらに出遅れているのが日本株である。そもそも年明けから日本株が崩れた理由は、

1) 昨年年末にかけてやり過ぎた反動
2) 外部環境の悪化

で、決算発表で好調な企業業績が示されるのに逆行するような、ちぐはぐな相場の動きだった。米国株が再び高値に迫るような展開となれば、当然、日本株も戻りを試すはずである。


(チーフ・ストラテジスト 広木 隆)

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(マネックス証券)


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