われわれの脳は、真似するための手本を探して完璧に行動と熟練した能力を再現するように、意識的にも無意識的にも働く。基準を満たした手本が見つかると、脳は意識的にその人の行動を研究して真似る。

 また、脳は無意識のレベルでも行動を真似する。誰かが話すのを聞く時、脳は無意識的にその話者が好んで使う言い回しや癖を探知する。気付かないうちにそれを真似し始め、同じ言い回しを使うことが少なくない。

 真似ることができるという脳に本来備わった能力について、われわれは認識を深める必要がある。さもないと、不適切な、または成果の乏しい行動を真似し始めかねないからだ。「完璧」に真似できるようになるまで、その行動を真似していることにさえ気付かないかもしれない。こんな状況に陥った場合には、意識して真似すべき適切なモデルを新たに探して、それまでの手本と置き換えなければならない。不適切な行動が確立されてから長い時間が経過しているほど、新しい適切な行動で置き換えるまでに時間がかかる。

 真似るという法則はわれわれの脳の思考パターンがその時々の周囲の環境を反映することを意味する。心理学や自己開発の専門家の多くは、さらに大きな成功を収めるには成功者たちと共に行動するといいと助言している。この知識を応用して、付き合っている相手を吟味し、われわれが真似している行動に気付く必要がある。彼らは、成功モデルを提供しているだろうか、それとも彼らは不適切な行動の手本となっているだろうか。

 真似ることとシナジーという2つの脳の法則を組み合わせることによって、成功を収めるために脳が従う公式を生み出すことができる。しかし、これは意識的に行わなければならない。例えば、あなたは意識して手本となる人を選んで付き合っているだろうか、それともただ流れに身を任せているだろうか。読みものや、テレビ番組を選ぶ時に注意しているだろうか。あなたが目標とする分野で既に成功している人を探して、彼らの行動を研究しているだろうか。

 成功者、創造力に富んだ幸せな人に触れると、脳はプラス思考のパターンを真似して習得する。前向きな人たちと付き合うと、あなたの成功に向けてプログラムされるのだ。


著者トニー・ブザン氏が来日! 講演とサイン会のお知らせ

『マインドマップ・リーダーシップ』の刊行を記念して2014年3月4日(火)にセミナーを開催いたします。

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