ROEはアテにならない!
その決定的な理由

 先ほどの7つの視点を少し掘り下げると、

「安全性」⇒会社に不良債権がないかどうか
「収益力」⇒長期的な儲けの力があるかどうか
「安定性」⇒利益が出やすい体質かどうか
「市場リスク」⇒リスク分散できているかどうか
「企業の底力」⇒経営改革時における、リストラ(人件費削減)への姿勢
「将来性」⇒将来への投資をしっかり行っているかどうか
「内部統制」⇒企業の不正リスクがあるかどうか

 このように表現することができます。これらはすべて、決算書から読み取ることが可能です。

 今の世の中は、ROE(株主資本利益率)全盛の時代です。ROEを高める経営こそがよい経営であると言われています。しかし、ROEとはあくまで、株主にとっての、「投資の収益性」を表す指標に過ぎません。

 私の経験から言うと、ROEを高める努力をしてもいい会社になれるわけではありません。ROEが高くなくても、いい会社はたくさんあります。いい会社、やばい会社を見抜くためには、ROEのような単一の指標で判断するのではなく、もっと多角的な視点からの分析が必要なのです。

(次回掲載は、2月18日予定です)


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『決算書でわかる! いい会社、やばい会社は「ここ」で見抜く!』
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「ROEを高める経営こそが、よい経営」はウソ!<br />会社を丸裸にする「プロ会計士の7つの視点」とは?価格:1575円(税込)
ページ数:200、2色刷
ISBN:978-4-478-02671-7

会社を一瞬で丸裸にする「プロ会計士の7つの視点」、公開!  ビジネスはもちろん、投資判断にも必ず役立つ1冊!

 本書の著者、大畑氏は銀行と監査法人で、上場企業から中小・零細企業まで、のべ数百社の財務分析に携わってきました。銀行では、「貸付審査の観点から会社を見る目」を養い、監査法人では「不適切な会計処理を見抜く」という経験を重ねてきました。2つの異なる経験から「決算書から会社を見抜く、7つの視点」が生まれたのです。その7つの視点とは、以下の通りです。

「安全性」「収益力」「安定性」「市場リスク」
「企業の底力」「将来性」「内部統制」

 本書の「7つの視点」を使えば、短期的な「儲けの力」はもちろん、
長期的な企業の成長性、存続すらも把握することができます

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