病院等医療機関の収入となる診療報酬の改定内容が、2月12日に開かれた中央社会保険医療協議会でまとまった。それによると、改定の主眼は、病院依存の医療から在宅ケア重視への転換であるが、高齢者の多くが慢性病を患っている現状を考えれば、在宅医療に重点を移すことは理の当然であるように思われる。超高齢社会に医療はどう対応すべきか、今回はこの問題を考えてみたい。

自宅で死を迎えたいが8割、
現状は病院での死亡が8割

 僕は三重県の片田舎で育ったが、近所の人を含めて病院に行く人はあまりいなかった。かかりつけのお医者さんがいて、病気の時は往診に来てくれるのが普通だった。そして高齢者は自然に自宅で死を迎えていた。超高齢社会は言葉を変えれば多死社会である。超高齢社会の医療の問題は、最終的には死とどのように向き合うか、という問題を避けては通れないと考える。

 ここにホスピス財団が2012年にまとめた「ホスピス・緩和ケアに関する意識調査」がある。これによると、「余命が限られている場合、自宅で過ごしたい人の割合」は、全体で81.4%にのぼるが、それが「実現可能だと思う」人は18.3%しかいない(63.1%は、実現は難しいと思う、と回答している)。

 次に「自宅で最期を過ごすための条件」をたずねると、「介護してくれる家族がいること、63.4%」「家族に負担があまりかからないこと、50.0%」「急変時の医療体制があること、42.2%」「自宅に往診してくれる医師がいること、41.2%」の4項目が4割を超えていた。

 また、「医療用麻薬のイメージ」については、「痛みが和らぐ、81.5%」「最後の手段だと思う、59.0%」「副作用がある、49.4%」がトップ3であり、まだまだ正しい理解は十分とは言えない状況である。先進国では、「最後の手段である」「副作用がある」などの考えはほとんど見られない。この意識の落差もわが国における、医療用麻薬の使用が少ない(先進国の1割程度)1つの要因であろう。