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伊藤忠商事社長 岡藤正広 
“朝型”促し、顧客重視の姿勢徹底

週刊ダイヤモンド編集部
2014年2月18日
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22時以降の残業を完全に禁止し、早朝残業の割増金を引き上げる新しい賃金制度を取り入れた。導入の背景と狙いを、今後の事業戦略と合わせて岡藤正広社長に聞いた。

――昨年10月から深夜残業を禁止し、午前5~9時の早朝残業の割増金を25%から50%へ引き上げることで早朝勤務へのシフトを促していますが、狙いは何ですか。

Photo by Ryosuke Shimizu

“朝型”勤務に変えたいと思い始めたのは2年ほど前、ちょうど資源価格の高騰で商社業界が沸いている時期です。社員に“おごり”が出てきているのではないかと感じたのがきっかけです。

 ただでさえ、商社は給与水準が他の業界に比べて高い。それなのに「伊藤忠は出社が遅いから」と、取引先に合わせてもらう自分中心の商売をしていた。それでは好業績は長続きしないと危機感を持ったのです。

 そこで、まずは管理職、続いて全社員に9時までの出社を促し、ほぼ全員が9時以前に出社していることが確認できた時点で、フレックス制度の廃止に踏み切りました。

 しかし、きれい事だけでは社員もついてきてくれませんから、早朝残業の手当を引き上げ、バナナやパン、ヨーグルトなどの軽食の支給も始めました。この新制度により、今では1日平均300人強が朝型へと切り替わっています。

――コスト削減の狙いが大きいとの見方もありますが。

 もちろん経費削減は重要です。結果的に、早朝の割増分を鑑みても、会社全体での残業代は約5%削減できています。

 ただ、目的は社員の働き方を変えることにあります。商社と言ったら、昔は夜遅くまでやっているのが当たり前でしたが、今はもうどれだけ長く会社にいたかを問う時代ではありません。

 昔、私の部署に月間150時間も残業をしている人がいましたが、それが必ずしも仕事ができる人ではなかったんですよ(笑)。逆に、もちろん残業が必要なときはやる、でもそんなことはめったにない、という人のほうが仕事ができました。朝に1日の段取りを考えて、仕事をするときは集中して猛烈にやる。そうした働き方が良い成果を生むと考えています。

 ですから社員には、朝と昼は顧客や取引先に合わせて集中して仕事をして、夜は家族と過ごしたり、自己研さんに励んだりする時間に充ててくれることを望んでいます。 

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