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吉田恒のデータが語る為替の法則

雇用統計ショックで「資源バブル」破裂?
円全面高は資源国通貨反落から始まる!

吉田 恒
【第36回】 2009年7月8日
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 豪ドルなどの資源国通貨が反落してきました。原油など資源価格が反落してきたためです。

 私はこれが、目先における円高のカギを握っていると思っています。

 このまま資源国通貨の反落が広がっていくならば、円一段高は要注意でしょう。もし、資源国通貨反落がすぐに広がらなくても、秋以降には円一段高となる可能性が高いと思っています。

資源国通貨の急落は必然で
早いか遅いかだけが問題

 早いか、遅いかの違いはあっても、資源通貨が反落することには変わりないと思っています。理由は、資源国通貨が短期的に「上がり過ぎ」になっている可能性が高いからです。

 短期の行き過ぎを点検する90日移動平均線との関係を見ると、豪ドルは対円で、短期上がり過ぎの目安となる90日移動平均線から10%を大きく上回る動きになっていました。

豪ドル/円の90日移動平均線からのかい離率

 なぜ、豪ドルなどの資源国通貨が短期上がり過ぎ懸念を示すまでになったかと言えば、一時は30ドル台まで下落した原油価格(WTI)が、この数カ月間で70ドルを超えるまでに大幅上昇した動きに連動した結果と言えるでしょう。

 それでは、この70ドルという原油価格は正当化できるものなのでしょうか?

 原油価格のトレンドについては、米国の鉱工業生産指数などの経済指標によって、十分に説明できます。

 2008年7月にかけて、原油価格は150ドル近くまで上昇しましたが、これは米国の景気での説明範囲を超えた原油高であって、その後の原油価格暴落により、「上がり過ぎ」や「バブル」だった可能性が高まりました。

WTIと米鉱工業生産指数

 ところで、足元での70ドルへの原油高も、米国の景気での説明範囲を大きく超えた動きのようです。

 その意味では、足元の原油を含めた資源価格の上昇も「上がり過ぎ」の可能性があるわけで、そうであれば、それに連れて上昇した豪ドルなどの資源通貨が「上がり過ぎ」になっているのも当然と言えそうです。

 資源国通貨も資源価格も、短期的とは言え「上がり過ぎ」なのであれば、いずれその反動で大きく反落する可能性は高いでしょう。

 問題は、それがすでに始まっているのか、それとも、もう数カ月先になるのかということだけだと思います。

 そのような資源国通貨の「上がり過ぎ」、ちょっと極端な表現にすれば「ミニバブル」破裂のタイミングは、目先の円高の行方を左右する要因だと思っています。

 資源国通貨の「ミニバブル」が破裂したならば、クロス円(ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の下落、つまり、資源国通貨における円高の流れが資源国通貨以外にも広がり、円が全面高となる可能性が高まるでしょう。

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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