10~12月期の実質GDPは
予想を大きく下回ったが……

 今週発表された10~12月期GDP統計(1次速報)は、筆者を含む大方の事前予想を大きく下回った。同期の実質GDPは前期比+0.3%(同年率+1.0%)と、筆者予想(年率+3.1%)および市場予想(ブルームバーグ調査中央値:年率+2.8%)を大幅に下回った。実質GDPは、7~9月期に前期比年率+1.1%と4~6月期の同+3.9%から減速していたが、10~12月期は同+1.0%ともう一段減速した形だ。

中身はそれほど悪くない

 ただし、10~12月期の日本の景気はGDPが示すほど悪くはない。特に内需については、消費税率引き上げ前の駆け込みや冬季ボーナスの増加などを反映し、民間最終消費や民間住宅投資が増加した。

 加えて、民間設備投資も前期比+1.3%と7~9月期の同+0.2%から加速した。その結果、民間需要全体は7~9月期から0.8%増加した。この前期比増加率は、2011年10~12月期(同+1.4%)以来2年ぶりの高さである。

 民間需要に加えて公的需要も景気を支えた。たとえば公共投資は前期比+2.3%、政府最終消費は同+0.5%という具合だ。つまり、10~12月期は民間需要、公的需要を問わず、内需がバランスよく増加したと言ってよいのではないか(図表1参照)。

2014年のアベノミクスの主役は「第2の矢」?<br />公共投資主導色の濃い第2次安倍政権<br />――森田京平・バークレイズ証券チーフエコノミスト