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不参加企業続々で見直されるモーターショーの費用対効果

週刊ダイヤモンド編集部
2008年12月12日
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 来年1月に開催されるデトロイト・モーターショーに日産自動車、スズキ、三菱自動車が不参加を表明した。急速な業績悪化に苦しむなか、数億円規模の出展費用を削るためだ。

 スズキの鈴木修会長は今回の理由について「売り上げに占める北米の割合は10%以下、うちは重要視していない」と説明。現時点では他のモーターショーへの参加取りやめは考えていないという。

 スズキは得意の小型車だけでなく、新たな世界戦略車として中大型セダン「キザシ」(コンセプト名)を昨年9月にフランクフルト、10月に東京、今年3月にニューヨークの各モーターショーで発表してきた。しかし市場環境の激変により、2010年の北米での発売計画が見直されており、量産車がモーターショーで発表される時期も未定となった。

 一方、日産にとって北米は売り上げの40%近くを占める最も重要な市場で、出展予定の取り消しは異例。だが今期の営業利益は期初予想の5500億円から2700億円と半分以下となる見込み。この状況では無理もない。

 従来の5大モーターショー(デトロイト、東京、フランクフルト、パリ、ジュネーブ)に加え、開催地は年々増え、近年は北京モーターショーが台頭、出展費用がかさんでいる。先月のロサンゼルスや来年3月のニューヨークなど、拡販を見込める地域に絞る意向だ。

 奇しくも今度のデトロイトではトヨタ自動車が新型プリウスとレクサスの新ハイブリッド専用車を世界初披露、ホンダもハイブリッド専用車「インサイト」の量販モデルを発表する。

 日産のエコカー戦略は電気自動車を核にしているが、「日産の目指す電池の性能とコストのバランスは難しく、業績悪化もあって開発は遅れるのでは」と業界関係者のあいだではささやかれている。10年度に日・米で発売予定だが、「来年秋の東京モーターショーでも発表の予定はない」(日産)という。

 また、日産は来年2月のシカゴ・オートショーについても不参加を表明していたが、その後撤回、やはり予定どおり参加となった。地元ディーラーから販売に影響が出ると反発があったためだ。

 右肩上がりの成長を遂げてきた自動車メーカーにとって、世界各地で行なわれるモーターショーは新たな技術を披露し、販売を促進する格好の場所だったが、低迷期に入り、その費用対効果が見直されている。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 柳澤里佳)

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