ミドル層でも英語力を
付けるのは遅くない

 英語力を身に付けることが武器となるのは、新卒の若い世代だけではない。ここ数年、求人年齢は上がる傾向にあり、特にミドル層(30代半ば~40代半
ば)への求人が増えているという。海外市場を見据えた事業成長のために、高い専門性を持ったキーパーソンを中途採用する企業が多くなっているからだ。その背景には、年功序列型の給与体系が崩れ、企業側が課長クラスの人材を受け入れやすくなっていることもあるという。

 求人側のミドル層への期待は、主に業務に対する専門性だが、それに付随して英語力があれば大きな武器になる。「例えばミドル層の人でも、専門性に加えて初級・中級レベルの英語力があれば、選択肢の幅は大きく広がります」と木下編集長は言う。キャリアアップのためには英語力の有無は、やはり重要なのだ。ちなみにDODAでは、あるテストのスコア別平均年収の調査を行ったところ、スコアが上がるにつれて年収も右肩上がりに上昇しているという結果が出たそうだ。

ビジネスでの英語力は
もはや前提条件!?

 今、多くの企業では、社内での英語力の育成に力を入れている。英会話スクールと法人契約をして英会話講座を開いたり、福利厚生でスクールの受講料を負担したりする企業も多い。英語教材のツールに関しても、英語学習に特化した電子辞書が登場するなど、ビジネスパーソンにとって英語を学ぶ環境は、以前と比べものにならないほど整い始めている。

 DODAの調査によると、「ビジネスパーソンとしての実力を高めるためにあなたが勉強したいことは何ですか?」という設問に、他の項目を圧倒して、半数以上の人が「英語」を選んでいる(図3)。英語を学ぶ意欲はとても高いのだ。

「数年前まで、採用時に英語力を最重要視する企業が多くありましたが、現在は職種の専門性やマネジメント力などに目が向けられています。言い換えれば、英語力はもはや、言わずもがなの前提条件となっているといえるかもしれません」と木下編集長。

 今後の自らのキャリアの価値を高めるためにも、まずは英語力。そのための学習の第一歩を具体的に踏み出すことから始めよう。

図3 Q.ビジネスパーソンとしての実力を高めるためにあなたが勉強したいことは何ですか?

 

図1・図2:2013年「グローバル採用の実態調査」より。データは13年5月末時点(05年1月から13年5月までの求人情報約20万件を基に調査)
図3:2013年3月調べ「グローバルな職場環境・仕事環境」に関するアンケートより(22~34歳のビジネスパーソン4000人を対象)
図1~3、いずれもDODA調べ