7月初め、東京滞在中に、話題の映画「ハゲタカ」のチケットを関係者から頂き、早速新宿ピカデリーへ観に行きました。

 日本で映画を見るのは本当に久しぶりでした。日本の映画館は上海の映画館と比べて本当に清潔で静か(中国の映画館は雑談、携帯通話ありありです)でよかったです。

 この映画はNHKのドラマが前身になっているとのことですが、私はこのドラマを観ていないので、全くの先入観なしに観ることができました。私の場合は、娯楽性もあるフィクション作品のシナリオに文句をつけるつもりは毛頭ありませんので、どれだけ昨今の中国を取り巻いた社会性を反映しているかという点に興味を持って鑑賞させていただきました。

意外と無防備だった?
中国国家ファンドの実力

 まず、玉山鉄二演じる主人公の劉一華。パッと見、かっこ良すぎて今時の中国人ファンドマネジャーっぽくないとの印象がありました(中国地場のファンドマネジャーは、一見地味で素朴であり、外見は田舎臭いけれども、実はぎらぎらしている)。ただ、なるほどストーリーを観ていくうちに、日本で育ち、米国留学した経歴ということでちょっと納得しました。

 実際、私の周りにも日本の大学をでるか、さらに米国に留学し日本の米系投資銀行で働いている、又は幼少のうちに米国に渡り米国の教育を受け米系投資銀行の本社社員として上海に赴任してインベストメントバンカーになった、というような人が確かにいます。グローバルスタンダードなビジネスセンスを身につけているが、その分中国政府や国有企業からはちょっと浮いてしまうところも、劉一華と一致するところがありますね。製作の方々、よく観察されているという印象です。事前にリアルプレーヤーたちと接触して雰囲気をつかんだのでしょうか。