そもそも、アイデアとは何なのか?

 仕事を進めていくうえで、「何かアイデアがないのか?」と言われたことも言ったこともあるでしょう。ちょっと、待ってください。そもそも、アイデアとは何なのか? 意外にも、答えに窮する。

 アイデアというのは、いかにもクリエイターが生み出す、すごいもののように捉えがちですが、実は思考の断片にしかすぎません。
 たとえば、今日の朝起きて、着る服を選びましたよね。朝食に何食べようか、あるいは食べるのをやめようかと思いましたよね。これだって自分の行動を決めるアイデアなのです。仮に「何かをしたい」「何かを思いついた」=アイデアだと単純に定義するならば、「今日着る服を思いついた」も、「新商品を思いついた」も、頭の中でひとつのスイッチが作動した、という現象としては同じなのです。あとは、その「思いつき」が、1人に影響したか、100万人に影響したか、という結果の違いだけです。(16Pより抜粋)

 まずは、アイデアを考えるというハードルを下げることが重要だ。そして、本書では、アイデア発想を「3つのステップ」から始める。生まれたアイデアのピースをビジネスで使えるものにするために、「5つの組み立て」をすることで、アイデアは完成する。

 さらに、
「そのアイデアが本当に正しいのか?」
「どのように、ターゲットに伝えていくか?」
「長く愛されるために必要なことは何なのか?」
という自然に生まれる問いにもすべて本書で答えている。

センスはいらない、技術だけでいい

 まだ半信半疑の方もいると思う。実は、この書籍のタイトル『アイデアにセンスはいらない』は、「半径3メートル発想術」を使って生まれた。もし、読者の中に、このタイトル、何か引っかかるものがあれば、それは、きっと成功なのでしょう。ただ、すでにいまこの記事を読んでいるあなた自身に、アイデアの断片がひらめいているはず。「何か、課題をクリアしたい」という思考は、アイデア発想の原点である。