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日本株の不調とアベノミクス批判 - 村上尚己「エコノミックレポート」

来週の重要経済指標をPDF版のレポートに掲載しています


2月19日のWSJで「1年過ぎても実を結ばないアベノミクス」との社説が掲載されている。2014年初から日本株が大きく下落しその戻りが限定的なためか、アベノミクスに対する批判的な見方が、再びメディアで目立つようになっている。

今週月曜日(2月17日)に発表された13年10‐12月実質GDPが市場予想を下回ったことが、そうしたアベノミクス批判を強めているようだ。先の社説では、GDP停滞の主たる要因として、貿易赤字拡大(外需が前年率約2.0%押し下げ)が挙げられている。

ただ、2月7日レポートでも紹介したが、貿易赤字拡大を「企業の稼ぐ力の停滞」と捉えたり、WSJ社説のようにアベノミクスによる円安政策の失敗、というのは一面的な見方である。円安で輸出を押し上げる効果が出るまでは時間がかかるし、10‐12月は国内需要堅調による輸入拡大(GDPの控除項目)が、表面的に成長率を押し下げた面が大きい。なお、同期のGDPが事前の市場予想対比で下振れたのは、推計が難しい在庫投資の下振れが主因である。

またこの社説は、他と同様(典型的なパターンだが)、「第3の矢」の停滞と、アベノミクスの「成果」を結びつけ、批判的に締めくくっている。第3の矢はその中身次第だし、それらが経済活性化をもたらすか議論は分かれるが、「政府が主導する成長戦略」に幻想を抱いているのではないか(脱デフレを阻害する政策に不安があるというのはまだ理解できるが)。

2014年初以降の日本株の不調が、上記のようなアベノミクス批判を助長させる一因になっている。確かに、米欧株は2月の底から昨年末の高値圏に戻っているのと比べて、日本株の戻りは鈍い。

この日本株の現状には、いくつか理由が考えられる。国内要因よりも(全くないとは思わないが)、海外要因で説明できる面が大きいと考えている。米国株市場はリバウンドしているが、米国の債券市場において、10年金利は2.73%と13年末と比べて低い。米債券市場では、米景気や新興国不安に起因するリスクへの警戒が、株式市場の参加者より強いのだろう(グラフ参照)。


為替市場でドル円は、海外市場で米国株に連動して度々動く。ただ年初からのドル円は、米国の長期金利の動きに規定される面が強くなり、円高地合いが続いている。つまり、米国の株式市場と債券市場(為替市場)の先行きへの見方の格差が、米欧株との日本株のアンダーパフォームをもたらしているのだろう。であれば、海外経済への不確実性が今後和らぐ中で、日本株の出遅れは解消されるとみられる。




(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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(マネックス証券)


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