実行あるいは一連の出来事(Events)

 何でも試してみる過程では、活気づいてわくわくするだろう。あなたの脳は目標に到達する道を探そうとして数十、おそらくは数百のアイディアを生み出している。しかし、行動に移さなければアイディアはそれほど役立たない。

 TrialまたはTry-allのステップは計画の段階ともいえる。それに対し、イベントは実行、行動の段階だ。この行動によって一連の出来事が生じる。しかし、出来事は成功に向かう道の一つのステップにすぎず、唯一のステップではない。

 目標の達成に向けて最初に試みることがその答えであるという考えを持ってスタートすると、それが失敗したら失望することになる。そして、最初のステップではたいていの場合、定義された成功を手にできない。出来事は最終的な成功に向かう旅の一つのステップにすぎないことを受け入れれば、それがうまくいかなくても(それともうまくいっても)それほど重要ではない。

 目標に向かって前進しないイベント(出来事)はすべて失敗であると見る人は少なくない。彼らは失敗という認識を自分自身が失敗者であるという考えに発展させるが、こうした態度を取ると、さらに努力する意欲が失せるおそれがある。一方、すべての出来事は成功に導くプロセスの一部であると認識している人は、予想外の悪い結果も良い結果と同じように、おそらくはそれ以上に重要であると受け入れるだろう。

 忘れてはならないのは、「出来事」と「目標」は別物であることだ。これを取り違えると、一つの出来事が失敗すれば、すべては終わりという態度を取ってしまう。極めて少数の例外を除き、達成するための機会は一度ではなく、何度もある。

 その出来事が望んでいた結果にならなくても、目的を達成する助けとなるような新しい情報を学んだはずだ。それがどんな結果であろうと、出来事を「失敗」と分類すべきではない。

次回更新は2月28日です。


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