今年4月に消費税率が8%へ上がる。増税によって家計の負担が増すことが懸念されるが、不安は消費税ばかりではない。日本の家庭には、消費税増税に加えて、社会保険料の増加、物価上昇という「トリプルパンチ」のリスクが忍び寄る。給料が増えずに負担ばかりが増す日本で、一般家庭はどんな心得を持つべきか。「家計の見直し相談センター」を運営し、累計1万5000世帯超の家計相談実績を誇る実力派FP(ファイナンシャル・プランナー)の藤川太・生活デザイン株式会社代表取締役が、家庭が生き延びるための節約術を詳しく指南する。第1回は、我々を直撃する負担の正体とは何か、どんなタイプの家庭でどれだけ負担が増えるのかを、詳しく解説してもらおう。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 小尾拓也)

消費税増税は仕方がない流れ
しかし世間では暗い見通しが多い

――いよいよ4月から8%への消費税増税が始まります。そもそも今回の増税の意義をどう考えていますか。

実力派FP・藤川太が「超節約術」を徹底指南(上)<br />「45歳で年収500万円なら年間40数万円の負担増 <br />消費税、社会保険料、物価のトリプル上昇が始まる」ふじかわ・ふとし
生活デザイン株式会社代表取締役。ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者)、宅地建物取引主任者。1968年生まれ。山口県出身。慶應義塾大学理工学部卒。自動車メーカー勤務を経て、FPとして独立。「家計の見直し相談センター」を運営し、累計1万5000世帯超の家計相談実績を誇る。資産運用、家計管理、マイホーム購入、不動産投資などに精通し、雑誌やテレビでも活動。主な著書に『年収が上がらなくてもお金が増える生き方』『サラリーマンは2度破産する』など

 現在の日本は1000兆円を抱える負債を抱え、財政は危機的な状況にあります。すぐに国が立ち行かなくなるわけではないでしょうが、将来我々の子や孫が被るしわ寄せを考えると、この問題は解消しなくてはならない重要課題です。

 そうした状況下、民主党政権下で社会保障と税の一体改革の議論が持ち上がり、財源を主に社会保障費に充てる目的で、三党合意による消費税増税法案が成立。自民党政権になって、安倍首相が増税実施を正式に決めました。これはある意味、仕方がない流れでもあります。

 消費税増税により、子育て支援が安定財源化されて、これまで自治体がお金なくてできなかった保育園の増設や待機児童の解消などが進むなど、明るい見通しも出ています。一方で暗い見通しは、増税の負担が我々の生活に与える影響がかなり大きいということです。世間では、暗い見通しのほうがクローズアップされていますね。

――消費税増税の影響は、どのような経路で個人の家庭に波及しそうでしょうか。

 8%への増税が足もとの4月から始まるため、メディアではそればかりがクローズアップされていますが、実際に我々の生活にのしかかる負担はそればかりではありません。消費税ばかりでなく、我々の支出は今後増え続ける見通しです。