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金融市場異論百出

財政政策の領域に踏み込んだバーナンキFRBの“割り切り”

2008年12月18日
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 FRBはリーマン・ブラザーズの破綻以降、金融機関や金融市場を救済するために、すさまじい勢いで資金供給を増加させてきた。12月上旬時点のFRBの総資産は2.1兆ドルである。

 さらにバーナンキ議長は国債、エージェンシー債、MBSを大規模に購入することを表明している。最終的にはモーゲージ金利を大幅に押し下げて、住宅需要を刺激したいのだろう。来年のFRBの資産は4兆~5兆ドルに膨張するかもしれない。

 現在のFRBの資産のなかには、リスクのあるものも部分的に含まれている。もし先行きFRBの自己資本が低下したら、米政府は税金を用いて、FRBの資本を増強する必要が生じる。潜在的に納税者負担が生じる恐れがあるという点では、FRBは財政政策の領域に入っているといえる。

 しかし、現在の局面では、FRBのバランスシートと政府のバランスシートを分けて議論しても意味がないとバーナンキ議長は割り切っているように思われる。“国家非常事態”的な認識なのだろう。

 “テロとの闘い”のときのブッシュ政権もそうだったが、非常事態と見なすと通常の原理原則を踏み越えて行動していくのが米国という国である。さすがにビッグスリーに対する議会有力者からの融資要請は拒んだが、今後も財政政策の領域とクロスオーバーする政策をFRBは進めていくと思われる。

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