もし、韓国が「MSCI新興市場インデックス」から外れると、このインデックスに連動するETFや投資信託は、韓国株をすべて売らなければなりません。

 その後、韓国が先進国として「MSCI先進国市場インデックス」に組み入れられれば、それに連動するETFや投資信託は韓国株を買わなければならなくなるのですが、しかし、新興国ではトップクラスだった韓国も、先進国の中では下位。それほど多くの韓国株は買われないとみられています。
 結果として、買われるよりも売られる方が多くなり、株価が下がるというわけです。

 もちろん、これは推測ですし、MSCIがいつまでも韓国を新興国のまま据え置くという保証はありません。

 ただ、今後、韓国が格上げされれば、韓国株は下がるかもしれませんが、ほかの新興国株にはチャンスが訪れます。
 なぜなら、韓国が外れた分、ほかの国・地域の銘柄で穴埋めしなければならず、ETFや投資信託に買われることになるからです。

 実際に、前述の「バンガードFTSEエマージング・マーケットETF」は、ベンチマークの変更にともない、韓国株を売って、ブラジル、南アフリカ、中国、台湾、インドなどの保有比率を高めました。