経営のためのIT
【第13回】 2014年3月14日
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内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]

中小企業経営者が理解すべき
「IT都市計画」とは

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企業規模の大小を問わず、経営者であれば誰しもが「ITは金食い虫だ」と思ったことがあるではないだろうか。とりわけITの専門家を社内に置いていない中小企業の経営者は、何のための投資や費用であるのか十分な説明を受けることができず判断に苦しむことも少なくない。IT都市計画の重要性について理解しておくことが、IT投資の可否を判断する上で役立つであろう。

中小企業経営者こそ
ITに投じる費用を考えるべき

 本連載第11回「戦略としてのIT導入と活用」では、目的別の3つの階層で企業ITを分類する考え方を示した。その最上層にあたる「戦略としてのIT」の中に「環境変化を見据えたIT構造改革のためのIT」があり、これは都市計画に喩えてみるとわかりやすいと述べた。

 ITに投じる費用や投資について論じる前に、まずはこのIT都市計画について説明しておきたい。IT業界ではITアーキテクチャと呼ばれるが、アーキテクチャという言葉に適切な日本語訳がなく、IT知識を持たない人々にとって極めてわかりにくい概念であることから、ここでは「IT都市計画」と呼ぶこととする。

 アーキテクチャはもともとは建築用語であり、建築物や構造物を設計する際の設計思想を指す場合もあれば、建築物そのものの全体構造を指す場合もある。企業で利用される情報システムは、ネットワーク、ハードウェア、ソフトウェアなどで構成されるが、有形であるか無形であるかの違いこそあれ、建築物と同様に構造を持ったものといえる。

 近代的な都市開発においては、幹線道路や鉄道網などの都市インフラを整備し、文教地区、商業地区、居住地区などを計画的に配置していく【図1】。これは、経済合理性、利便性、安全性などを考慮して、交通網や地域を整備していくという考えに基づいたものであり都市計画と呼ばれる。

 都市計画は、人口構成や交通量などに関する将来予測と、どんな都市にしたいかという理想像に基づいて長期的な視点で描かれるものべきである。

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内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。現在は大手ユーザー企業のIT戦略立案・実行のアドバイスおよびコンサルティングを提供する。


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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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