「そういう声は聞いていますが、我々は青少年課ですし、それ以上の年齢になると…」

 自治体の中にも、青少年課の部署を超えて、現実に即した形で、地域の引きこもり支援に取り組もうという動きがある。しかし、現場の担当者から、そうした声を上げにくいという事情もあるという。

 また、青少年・治安対策本部が、いつまでも引きこもり施策を担当していることも適当とは思えない。領域を超え、窓口を新たな部署に1本化し、すべての年齢に対応していくことが現実に即しているのではないか。

 そこで、舛添都知事に直接、7日の定例会見で聞いてみた。

「それは1つのお考えとして承っておきますけれども、一定の年齢を決めてるというのはそれなりの意味があって、例えば、何歳以上まで行くんですかっていう、この意見もありますね。ですから、そこは、今言った考えもあるかもしれないです。それから、部署がどうなるかということについても、それはいろいろ人員の限界もありますから、ほかの福祉政策もやらないといけないんで、1つのご意見として承って、検討しておきます」(都の議事録より)

 税金を使って引きこもり支援を行っていく以上、半数近い当事者が対象から除外されるような不公平な対策は見直していかなければいけない。

 また、新たな引きこもり施策に取り組むのなら、当事者や家族の意向や思いを優先的に聞いて、仕組みづくりから一緒に向き合っていくプロセスが、これからは重要なのではないか。

 都が来年度から、引きこもり支援として実施しようとしているアウトリーチについても、これから注視していく必要がある。


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