第8回では、前回に引き続き日本最大級のオーディオブック販売サイト『FeBe』(フィービー)を運営する、株式会社オトバンク代表取締役社長の上田渉氏に登場していただきます。

 奇跡的な出会い、顧客コミュニティーから生まれる商品開発の仕組み、そして、苦難の連続……。新しい市場を創造するネットベンチャーの奇跡に迫りたいと思います!

ビジネスモデルの破綻が
かえって強みを生み出した

 『株式会社オトバンク』。その名のとおり、社名の由来は“「音」の銀行“です。

 創業期のビジネスモデルは、既に音声化された“音声データ”を仕入れて販売するというシンプルなモデルを考えていました。ところが、音声データの仕入れ活動を行っていくと、権利上の問題から「音を仕入れて販売する」という一見シンプルなモデルが困難であるということに気がつきます。「世の中にある音源を仕入れて販売すればいいと考えていましたから、当時は愕然としました」と上田社長は当時を振り返ります。

 ところが、計画していたビジネスモデルの破綻と同じタイミングに、英会話の教材用に使用する音声データの製作業務を受注します。ここで、いかに低コストで高品質な音声データを製造するか、という独自のノウハウを蓄積することになるのでした。

 巡り合わせなのか、創業期に計画していたビジネスモデルの破綻が、同社の強みを生み出すことになるのでした。

強い意志が「行動」を生み、
「伝説」を引き寄せる 

 商品を仕入れることができなければ、自ら作るしかない。

 つまり、書籍を朗読して収録し、音声データを製造することに踏み出したのです。ところが、大きな壁が立ちはだかります。それは、誰もが使いやすく、かつ、音声データを違法コピーから防ぐための技術(※以下DRM)と両立させるにはどうするのか、というテーマです。