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買収ファンドはなぜ嫌われるのか
逆風下の大手ファームトップに聞く(KKR)

週刊ダイヤモンド編集部
【第7回】 2007年12月11日
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KKR 蓑田秀策代表
みのだ・しゅうさく/1974年、一橋大学経済学部卒業後、日本興業銀行(後に合併によりみずほフィナンシャルグループ)に入行。ニューヨーク、ロンドン駐在、シンジケーション部門部長を経て、みずほコーポレート銀行常務執行役員。2007年3月末に退行、7月1日付でKKRに参画。(C)Masato Kato

――みずほコーポレート銀行を退職後、KKRに移り4ヵ月が経過した。この間、注力してきたことは何か。

 企業、金融機関、官公庁などの多くの人に会い、われわれが何を考え、何をしたいのかについて説明した。その点についての理解が進めば、ディールは必ず生まれると確信しているし、逆に実際にディールを積み重ねることによって、私の言葉に納得してもらえるものと思っている。

――KKRにおいて、何をしたいのか。

 1990年代後半には、ITの目覚しい技術革新を背景にしたサプライチェーンのグローバルネットワークが構築された。グローバルネットワークを構成する一員になれなければ勝ち残れないにもかかわらず、多くの日本企業はバブル崩壊後の長引くデフレ不況下で思考停止状況にあり、国内で完結する市場に逃げ込んでしまった。

 しかし、国内市場は人口減少に伴ってシュリンクするのは目に見えている。さしずめ労働人口の減少が想像以上に深刻な問題であり、このままでは、内弁慶な日本企業が相当のダメージを受けるだろう。

 だからこそ、日本企業がハブとなるグローバルネットワークの数、世界市場を相手にできる日本企業の数を増やしたい。日本企業に、海外市場に果敢に攻め入った1970年代後半から80年代前半のダイナミズムやバイタリティーを、もう一度思い起こしてもらいたい。

 KKRが関わる買収ファンドの投資先企業は40数社。その時価総額の合計は約40兆円に上る。たとえば、投資先の1つである米食品卸のUSフードサービスは、日本の食品メーカーが米国展開する際の有益な情報を提供できるだろう。米国市場グローバルネットワークを持つ買収ファンドだからこそ、こうした連携ができる。

 われわれは、企業の成長シナリオを評価して7~10年の長期にわたって投資を行なうのであって、ディストレスト(債務不履行直前)に投資することを目的とした買収ファンドではない。企業価値の極大化のために経営者と同じ船に乗り、戦略と方向感がずれないように見守りながら、ともに努力をする。投資回収しなければならないのだから、そこにはなんの嘘も裏もない。

 さらに言えば、企業価値を算定する重要な指標であるEBITDAは、営業利益と減価償却を合算したものであり、これを上げるためには、コストカットだけすればいいわけではない。投資を促進して営業利益を増やさなければならない。

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