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公認会計士・高田直芳 大不況に克つサバイバル経営戦略

アベノミクスでハローキティの付加価値が急落?
現代の会計理論が容認する
「情報システムによる隠蔽工作」

高田直芳 [公認会計士]
【第128回】 2014年3月14日
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 「中二病」や「ショタコン」という造語を初めて聞いたとき、「うまいネーミングだなぁ」と感心したことがある。最近の流行は、STAP細胞に絡んで「リケジョ」だろうか。これは講談社が商標登録している。

 これらの表現は対象が特定されにくく、聞いた瞬間にイメージがパッと浮かびにくい。それに比べて「ハローキティ」という表現は、キャラクターと相まって、誰でも思い浮かべることができる。アクセントも絶妙で、うまいネーミングだと感心する。

 動物系のキャラクターを描くとき、子ども受けする秘訣は「人中」を描かないことだという話を聞いたことがある。人中とは、鼻の下から上唇にかけての縦の溝である。

 犬やウサギは、その溝が割れている。それに対して、サンリオが扱う「ハローキティ」「マイメロディ」「シナモロール」には、人中がない。あの「くまモン」にも人中がない。動物キャラに人中を描き加えると、リアルになるからだそうだ。

 筆者の住む栃木県小山市には、白熊に似せたゆるキャラがある。これにはくっきりと人中が描かれている。人気が今ひとつ出ない理由なのだろう。そもそも小山市には、牛・馬・豚などは一通り揃っているが、かんぴょう畑に白熊は出没しないことを断わっておきたい。

 それはともかく、今回扱うサンリオの特徴は、「ファブレス(工場を持たない)経営」と「版権ビジネス」にある。

 サンリオの連結貸借対照表や個別貸借対照表を見ると、仕掛品勘定(個別法による原価法)が若干計上されている。香港などの在外子会社に、ハローキティなどの生産工場があるのかな、と勘違いしてしまいそうだ。

 そうではない。サンリオは工場を持たず、約680社を相手に「特定の製品に対して当社特定デザイン・キャラクターを使用する権利の許諾」(同社有価証券報告書)によるのがメインである。したがって、サンリオの個別損益計算書の売上原価は、商品仕入高を中心に構成されることになる。

 こうした事業モデルを「版権ビジネス」という。

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高田直芳 [公認会計士]

1959年生まれ。栃木県在住。都市銀行勤務を経て92年に公認会計士2次試験合格。09年12月〜13年10月まで公認会計士試験委員(原価計算&管理会計論担当)。「高田直芳の実践会計講座」シリーズをはじめ、経営分析や管理会計に関する著書多数。ホームページ「会計雑学講座」では原価計算ソフトの無償公開を行なう。

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公認会計士・高田直芳 大不況に克つサバイバル経営戦略

大不況により、減収減益や倒産に直面する企業が急増しています。この連載では、あらゆる業界の上場企業を例にとり、どこにもないファイナンス分析の手法を用いて、苦境を克服するための経営戦略を徹底解説します。

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