やっぱり家のメンテナンスは楽じゃない!
でも、「サトヤマビクス」はお得です。

馬場 そうそう、メンテナンスには1日かかりますよね。うちは特に、カビがすごいんですよ。2週間あくと、すごい発生してしまう……。

吉里 梅雨場はつらいですね。僕の場合、1ヵ月行けない時もあるんですが、そうなると歩くと自分の足跡がくっきり残るくらいカビが生えてしまっている(笑)。だからまず掃除して、布団を干して……という作業が発生します。まぁ、行く頻度とメンテナンスの必要度は反比例しますよね。

馬場 二地域居住でまず立ちはだかるのはメンテナンスかもしれない。私は1ヵ月行かなかったことはなかったけど、もうね、2週間あけると気が重いんです。湿度が高い地域だから特にカビは大変で。台所の菜箸のカビ量で湿気を確認しますよ(笑)。南房総は年間降水量が2000mm以上と言いますし、雑草の育成速度はものすごいものがあります。

「二地域居住」を始める前に知っておきたい<br />田舎暮らしのリアル<br />【馬場未織×吉里裕也対談】吉里裕也(よしざと・ひろや) 1972年京都生まれ。東京都立大学工学研究科建築学専攻修了。ディベロッパー勤務を経て2004年にSPEAC,inc.を設立。「東京R不動産」を立ち上げるとともに、CIA Inc./The Brand Architect Groupにて都市施設やリテールのブランディングを行う。不動産・建築・デザイン・オペレーション・マーケティング等を包括的な視点でプロデュースを行うとともに、自分の空間を編集していくための建材やサービスを提供する「toolbox」の運営も行っている。共編著書に『東京R不動産』『東京R不動産2』『だから、僕らはこの働き方を選んだ』『toolbox』等。東京都市大学非常勤講師。

吉里 本にも書いてましたよね。でも草は本当にすごいし、気がめいる。かといって除草剤は使いたくないし。だから実は、最近、メンテナンスを業者の人にお願いしているんです(笑)。馬場さんの家ほど広くないし、もちろん草刈機はあるので、草刈りを僕一人でやっても半日くらいで済むんですが、それでも行っていきなりメンテナンスに追われるだけだともったいないし、1ヵ月行けないとさすがに作業が増えるばかりなので。

馬場 それもいいかもしれないですね。私は今や、刈り払い機で竹まで刈っちゃいます。大変だし、気苦労は多い。それでも草を刈るのがつらいかと言うと、実は楽しいんですよね。無心になれる不思議な感覚……しかも体を動かすから「里山ビクス」とか言っているんだけど(笑)。お金を払ってフィットネスにいくなら、草刈って痩せるほうが素敵じゃない?(笑)

吉里 いい運動になりますね。それに確かに無心になれる。走ることにも似ていて、草を刈ることって、座禅に近い……座禅よりも座禅モードに入れる気がする。単純作業にある独特の達成感というか。

馬場 単純に動いた面積が刈れていく爽快感もありますよね。でも実は、刈った草が細かくなって畑の肥やしになる自走式の草刈機を買って使うようになったら、刈りながら、ウシガエルや蛇などを巻き込んでしまうようになっちゃって……すごく気を付けてはいるんですが、それがもうなんとも……。

吉里 生き物との付き合いはいろいろありますよね。