燃料高と大雪で農家は大打撃
消費税増税で値上げのホテルも

 2月8日(土)、14日(金)の立て続けの大雪、特に14日から15日にかけての観測記録を塗り替えるほどの積雪とその後の雨によって、関東近県のハウス栽培農家が大打撃を受けた。

 当初(2月17日現在)各県の被害額は数十億円から百数十億円に上るとされ、積雪の影響が最も大きかった山梨県では、被害額の算定すらできていなかった。その後、群馬県の被害額は247億円に上方修正され、山梨県では被害額71億円に加えて、除雪費用として88億円が見込まれるという(2月24日現在)。

 影響は当然ながら食卓にも及び、野菜価格の値上がりは最高で5割前後に達している。テレビに映し出される、野菜価格の高騰に溜め息を吐く主婦の姿も記憶に新しいが、その姿を眺めながら心底肩を落としているのは、むしろ農家の人たちのほうだろう。北関東を中心に、今回の悪天候でハウスそのものが倒壊し、農業の継続が難しくなっている高齢者も多いと聞く。

 そもそもこの冬は例年より寒く、多くの農家がハウス栽培のための燃料コストの値上がりで少なからぬ打撃を受けており、大雪とその直後の雨でとどめを刺されてしまった格好である。

 値上がりといえば、そう、4月には5%から8%への消費税アップが控えている。筆者が自宅から駅に向かう途中に、最近常連になった手打ちうどんのいい店があるのだが、そこの女将さん曰く、「昨年から、電気代、燃料代、小麦粉……と上がるばっかりで、値段が下がったものは1つもない」そうだ。

 また、東京郊外で中堅ホテルの支配人を務めている友人からも、「飲み放題の(税込み)金額は据え置かせていただく予定ですが、お食事代は消費税分の値上げをさせていただきました」と説明することになる、と聞かされた。「でないと、とてもじゃないがやっていけないレベルの原価率になってしまう」というのだ。

 消費者にとって、たしかに野菜の値上がりは小さい額ではないだろうが、日常的に直接買っているものの値上がりは印象に残りやすいという面もある。ここ1年ほどの間に値段が上がっているもののうち、金額ベースで家計への影響が最も大きいのは、電気代、暖房のための灯油代、ガソリン代……のはずだ。