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吉田恒のデータが語る為替の法則

ドル/円は100円に戻るのだろうか?

吉田 恒
【第12回】 2009年1月7日
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 あけましておめでとうございます。

 ところで、新年早々、円安の動きになっています。これが昨年末にかけて私が述べてきた「行き過ぎたリスク回避」修正の結果なら、基本的には90円台後半への円安・ドル高になってもおかしくないところですが、果たしてどうでしょうか?

 仮にそうなるとしても、慌てるべきではないのかもしれません。今週は1月第2週ですが、経験的にはポジション調整が入り、逆に動きやすいタイミングと言えるからです。

 下表は過去10年間の1月第1週と第2週でドル/円がどう動いたかを調べたものです。2週続けて同じ方向に動いた(○印)のが5回、逆に動いた(×印)のが5回となっています。

 ただ、逆に動いた5回の第2週足実体幅平均が1.9円なのに対し、同じ方向に動いた5回の平均は0.7円にとどまっていました。

 ここから想像できるのは、同じ方向に動いた場合、第2週は小幅な動きとなり、逆に動いた場合は大幅な動きになる傾向があるということです。

 1月第1週は年末年始ですが、クリスマス休暇明けで欧米勢が大きく仕掛けに動くものの、第2週でいったん仕切り直しに動く結果、一方向の動きは足踏みし、逆の動きが大きくなりがちということではないでしょうか。

 もしもそういったことがあるなら、年末年始での円安の動きは、この第2週でいったん足踏みする可能性があるでしょう。

1月第2週はドル/円が逆に動きやすい
直近、ドル/円が上昇している理由とは?

 ただ、目先の細かい動きはともかく、そもそも、なぜこの年末年始に円安となったのでしょうか。それは、下図を見る限り、米長期金利が急上昇したからということになると思います。

 このコーナーで何度か取り上げてきましたが、ドル/円と米長期金利は過去2年以上、非常に高い相関関係が続いてきました(「ドル/円は一気に90円割れに向かうのか? それとも!?」などを参照)。

 その意味では、ドルは米長期金利次第と言えるわけですが、その米長期金利がこの年末年始で2.0%から2.5%へほとんど0.5%近くもの急上昇を演じました。グラフを見る限り、ドルもそれに沿って上昇した形になっています。

 それでは、結果的にドル高をリードした形になった米長期金利上昇は、なぜ起こったのでしょうか。年末年始は国際情勢に目を向けると、イスラエルのガザ侵攻などが話題になりました。

 地政学リスクの台頭で、「質への逃避」が起こってもおかしくなく、そうであれば米国債はむしろ価格が上昇し、利回りが低下してもおかしくなかったでしょう。

 にもかかわらず、米長期金利急上昇となったのは、株高や需給要因での説明が一般的のようです。オバマ米新政権への期待や、景気対策での減税が債券需給を悪化させる懸念などが債券価格の下落、利回りの上昇をもたらしたということです。

 ただ、それにしても、なぜオバマ政権への期待は12月初めではなく、この年末年始に急台頭してきたのでしょうか。そして、需給悪化懸念での債券反落も、このタイミングで大きなものとなったのでしょうか。

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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