株式レポート
3月18日 18時0分
バックナンバー 著者・コラム紹介
マネックス証券

ウクライナ情勢への市場の反応を考える〜予断は禁物〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

先週木曜日(3 月13 日)に米国市場で、株安、債券高(金利低下)が突如進んだ(先週、日本株が急落した主たる理由)のは、クリミア情勢への懸念が突如高まったため、と解説されている。その後週明け昨日(3 月17 日)には、ロシアに対する経済制裁発表で懸念が後退し(?)、株価は反発、長期金利は上昇したと解説されている。

ウクライナでの地政学リスクを巡り、マーケットは揺れ動いている。改めて振り返ると、2 月末のウクライナの政治混乱をきっかけにロシアが同地域への支配強化(軍事介入)を進めると、「地政学リスク」が悪材料視され始めた(グラフ参照)。これまでの市場の反応を振り返ると、「ロシア vs アメリカのつばぜりあい」において、外交力に疑問符がついているオバマ政権が、プーチン大統領に再び「してやられる」という懸念が底流にあるのかもしれない。ロシアの思惑通りに事態が動く材料がでると、それが米欧の市場参加者の心理を冷やす、という構図である。



筆者は、この米国とロシアのつばぜりあいについて、「落としどころ」がいずれ見つかるのではないかと期待している。ただ、それがどこにあるのか、正直全く見えない。なので、クリミア騒動を投資判断の材料にしようがないと考えている。少なくとも、分からない政治情勢に対して予断を持ち、リスクを取り過ぎることは慎みたいと思う。

また、情勢を見通せないだけではなく、事態の変化に対するマーケットの反応も、これまた分からない。昨日、米欧市場で株高・金利上昇となった理由は、「米国による制裁措置が軽微だった」と言われているが、それは良い材料なのだろうか?これで同地域の「地政学リスク」が和らいだとは、少なくとも筆者には見えない。理解できない反応を示すマーケットの値動きを一方的に解釈したり、それを元に今後の市場の反応を予想するのも危険だろう。

実際に、マーケットの中でも、ウクライナを巡る地政学混乱に対する反応は一様ではない。先に述べたが、先週半ばに株式・債券市場では、株売り・債券買いが広範囲に進んだ。ただ、本当に同地域を巡る不確実性が高まっているならば、「リスク」に対して脆弱な、新興国通貨も同様に売られるだろう。

例えば同地域の混乱に敏感に反応してもおかしくないトルコリラは、先週あまり動かなかった。新興国の通貨安騒動で1 月末までに大幅なリラ安が進んだ後、その後は通貨高に動いた。ウクライナ情勢が緊迫化した3 月に通貨高は止まったが、その後もほぼ横ばいで推移している。2 月初の安値からみると、依然リラなどは通貨高水準を維持している(グラフ参照)。


こうした新興国通貨の落ち着きに加え、情勢が再び緊迫化した先週から原油価格が調整している。これらを踏まえると、市場は一連の地政学リスクを真剣に懸念しているのか、やや不安にすら思えてくる。実際には、これを市場の変動を一時的に高める材料と認識しているだけの投資家が大勢なのかもしれない。

いずれにもしても、足元のマーケットの変動に右往左往しても仕方がないだろう。市場心理のスイングによって生まれる「ミスプライシング」に、投資する機会を冷静に活かしたい。




(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

■ご留意いただきたい事項
マネックス証券(以下当社)は、本レポートの内容につきその正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。当社が有価証券の価格の上昇又は下落について断定的判断を提供することはありません。
本レポートに掲載される内容は、コメント執筆時における筆者の見解・予測であり、当社の意見や予測をあらわすものではありません。また、提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更又は削除されることがございます。
当画面でご案内している内容は、当社でお取扱している商品・サービス等に関連する場合がありますが、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。
当社は本レポートの内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。
本レポートの内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。当社でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動・金利の変動・為替の変動等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。また、発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
なお、各商品毎の手数料等およびリスクなどの重要事項については、マネックス証券のウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」(※)をよくお読みいただき、銘柄の選択、投資の最終決定は、ご自身のご判断で行ってください。
((※)https://info.monex.co.jp/policy/risk/index.html)

■利益相反に関する開示事項
当社は、契約に基づき、オリジナルレポートの提供を継続的に行うことに対する対価を契約先金融機関より包括的に得ておりますが、本レポートに対して個別に対価を得ているものではありません。レポート対象企業の選定は当社が独自の判断に基づき行っているものであり、契約先金融機関を含む第三者からの指定は一切受けておりません。レポート執筆者、並びに当社と本レポートの対象会社との間には、利益相反の関係はありません。

(マネックス証券)


マネックス証券
株式売買手数料(指値) 口座開設
10万円 30万円 50万円
100円 250円 450円
【マネックス証券のメリット】
日本株投資に役立つ「決算&業績予想」、信用取引ではリスク管理に役立つ信用取引自動決済発注サービス「みまもるくん」が便利。米国株は最低手数料5ドル(税抜)からお手軽に投資が可能で、米国ETFを通じて世界中に分散投資できる。投資先の調査、リスク管理、リスク分散など、じっくり腰をすえた大人の投資ができる証券会社と言えるだろう。一方、短期・中期のトレードに役立つツールもそろっている。逆指値ほか多彩な注文方法が利用できる上に、板発注が可能な高機能無料ツール「新マネックストレーダー」が進化中だ。日本株、米国株、先物取引についてロボットの投資判断を日々配信する「マネックスシグナル」も提供しており、スイングトレードに役立つ。
【関連記事】
◆AKB48の4人が株式投資とNISAにチャレンジ!「株」&「投資信託」で資産倍増を目指せ!~第1回 証券会社を選ぼう~
◆マネックス証券おすすめのポイントはココだ!~日本株手数料の低さ、ユニークな投資ツールが充実しているネット証券大手
マネックス証券の口座開設はこちら!

 

株主優待名人の桐谷さんお墨付きのネット証券!最新情報はコチラ!
ネット証券口座人気ランキングはコチラ!
NISA口座を徹底比較!はコチラ
株主優待おすすめ情報はコチラ!
優待名人・桐谷さんの株主優待情報はコチラ!

 

Special topics pr

ZAiオンラインPickUP
[クレジットカード・オブ・ザ・イヤー2017]2人の専門家が最優秀クレジットカードを決定! 2017年版、クレジットカードのおすすめはコレ! おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き その 【株主優待】最新の株主優待情報更新中! アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードは、 本当は“ゴールド”ではなく“プラチナ”だった!? 日本初のゴールドカードの最高水準の付帯特典とは?
ランキング
1カ月
1週間
24時間
じぶん銀行住宅ローン 「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」付帯サービスはプラチナカード顔負け!最強ゴールドカード 実力を徹底検証  アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カード
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!


 

11月号9月21日発売
定価730円(税込)
◆購入はコチラ!

Amazonで「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!


【株で1億円を目指す銘柄!今買う10倍株】
今後1年の日経平均の高値&安値を大予測
株で1億円を目指す10倍株ベスト67
・買い&売りをズバリ!人気株500診断
別冊付録!上場全銘柄の理論株価
・10年先を見通す10倍株
つみたてNISAのオトクな使い方

・買いの高配当株&優待株ベスト14
3万円以下で買える株ベスト9
・成長余力が大きい
有望IPO株
長期で値上がりを狙う厳選投資信託18本

「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!

>>「最新号蔵出し記事」はこちら!

>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

Apple Pay対応のクレジットカードで選ぶ! Apple Payに登録して得する高還元率カードはコレ! 堀江貴文や橘玲など人気の著者のメルマガ配信開始! 新築マンションランキング