日経平均は反落。75.80円安の14386.72円(出来高概算9億3000万株)で前場の取引を
終えた。イエレンFRB議長会見で、利上げ前倒しが警戒される格好となり、19日のNYダ
ウは反落。ただし、シカゴ先物が堅調だったほか、為替市場ではドルが急伸する格好か
ら、円相場は1ドル102円台前半まで円安に振れるなか、輸出関連などを中心に買いが先
行した。しかし、寄り付きの14548.76円を高値に、その後はこう着となるなか、先物主
導による売買からじり安の展開に。
東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が全体の6割を占めている。セクターでは、金属製
品、小売、卸売が小幅に上昇する半面、不動産、パルプ紙、鉄鋼、建設、非鉄金属、電
力ガスなどが弱い。指数インパクトの大きいところでは、ファナック<6954>が3%超の
上昇。一方、ファーストリテ<9983>、ソフトバンク<9984>、デンソー<6902>のほか、大
手不動産が軟調。
小じっかりなスタートとなったが、その後は先物主導による冴えない展開になってい
る。先物市場では9:30辺りから売り仕掛け的な動きをみせていた。このところは寄り
付き高で、その後は弱含みの展開が続いていることもあり、リバウンドは期待しづらい
ところであろう。ウクライナ情勢の不透明感がくすぶっているほか、3連休に入ること
も模様眺めにつながりそうである。
ファナック<6954>が強い動きで日経平均を下支えしている。しかし、ソフトバンク
<9984>の方向感は定まらず、同社が切り返しをみせてくるかが注目されるところ。不動
産の上昇が公示地価上昇を手掛かりにした1日しか持たず、利益確定に向かわせやすい
地合いではある。
(村瀬智一)