お父さんのスーツに次ぐ
削減の代表格・外食

バラバラの価格戦略をとった牛丼3社 <br />安さのすき家か付加価値の吉野家かPhoto by Ryosuke Shimizu

 消費増税でいちばん割を食う業界はどこか――。

 年明けから小売りや外食、住宅や自動車などの業界でたびたび話題に上っていたのだが、必ずといっていいほど挙げられていたのが「外食は強烈な逆風を受ける」というものだ。

 2013年の労働者一人が得た月平均給与総額は31万4054円で2012年よりも73円下回っている。また物価上昇分を除いた実質賃金指数を見ると、2013年は前年比0.5%減。そこへ4月1日の消費増税がやってくる。

 賃金は上がらず支出が増える状況では、外食へ行く機会を減らそうとするのは自然なことだ。ある大手外食チェーン幹部も「お父さんのスーツと外食は真っ先に削られるのは間違いない」と諦め顔だ。

バラバラの価格戦略をとった牛丼3社 <br />安さのすき家か付加価値の吉野家かPhoto by R.S.

 ただ、「ランチは削れないから、1000円以下で食べられるファミレスや牛丼チェーンは影響は小さいだろう。一番影響を受けるのは2次会需要の受け皿となっている飲み屋、高級料理店ではないか」との見方もある。

 そんな4月からの荒波を乗り越えようと、外食業界のなかでも、安く手軽に庶民の胃袋を満たしてくれる牛丼チェーン3社は、さっそく対策を打ち出している。これまで3社ともに「牛丼」/「牛めし」の並盛りは280円だったが、「すき家」は10円値下げして270円、吉野家は20円値上げして300円、松屋は10円値上げして290円となった。