会社との「出会い」は
偶然性に満ちている

 都心では、桜が咲き始めました。卒業式で先輩を見送った人も少なくないでしょう。

 間もなく4月。いよいよ就職活動も最終局面に入ります。

 今日は、ある中堅企業の新入社員研修で、講師を務めてきました。まだ3月ですが、多くの企業が新入社員研修をスタートさせています。

 フレッシュマンたちは、厳しかった就職活動を振り返って、同じように「もう少し早く活動をはじめればよかった」「自己分析が少し甘かった」などと、反省の弁を述べます。

 でも、その表情は一様に明るい。社会人のスタートが近いことから、気分が高揚していることが分かります。

 就職は、言い換えれば会社との「出会い」は、偶然性に満ちています。

 それは「出会い」なのですから、ほかにもいろいろな可能性があっただろう、ということはひとまず忘れて、一生懸命に「その会社の人」になることを私は彼らに勧めます。

 ほかにもいろいろな可能性があったかもしれない。でも、その会社に出会った。それは縁ですし、スタート地点です。

 ぜひ、良き出会いがあるように、あと少し、がんばってみてください。

本当に「うちの会社」に
関心があるかどうかが問われる

 都内某大学の模擬面接。

「志望動機」「学生時代、いちばんがんばったこと」といった定番の質問をし、最後に必ず「なにか当社に対して質問はありますか?」と聞きます(私がその会社の人事担当者である、という設定です)。

 大方の企業で、この質問が出るはずです。

 集団面接のかたちでおこなわれた模擬面接では、さっと手が挙がることは稀でした。

 でも、この質問に対しては、「必ず何かを聞くこと」が鉄則です。